今年の年末に始まった、NHKスペシャル「新・映像の世紀」、やはりすばらしい。
1995年の「映像の世紀」から20年も経ったのか・・・。
録画したものを正座して見た。
●NHKスペシャル「新・映像の世紀」(2015年度)
第1集 第一次世界大戦 百年の悲劇はここから始まった(2015/10/25放送)
第2集 グレートファミリー 企業帝国の出現(2015/11/29放送)
第3集 第二次世界大戦 時代は独裁者を求めた
第4集 冷戦 世界は嘘と秘密に覆われた
第5集 若者たちの反乱 NOの嵐が吹き荒れる
第6集 21世紀の潮流 あなたのワンカットが世界を変える
●<参考>20年前に放映された「映像の世紀」(1995年度)
第1集 20世紀の幕開け
第2集 大量殺戮の完成
第3集 それはマンハッタンから始まった
第4集 ヒトラーの野望
第5集 世界は地獄を見た
第6集 独立の旗の下に
第7集 勝者の世界分割
第8集 恐怖の中の平和
第9集 ベトナムの衝撃~アメリカ社会が揺らぎ始めた~
第10集 民族の悲劇果てしなく
第11集 JAPAN 世界が見た明治・大正・昭和
・・・・
20年前の1995年にNHKスペシャルで放映された「映像の世紀」。
生の映像に衝撃を受けた。
学生時代になけなしのお金をはたき、DVD-BOX 全11枚セットを購入した。
学生時代の友人たちとみんなで上映会をして語りあったのを思い出す。
子どもの時、学生の時、素人の時、、、素直な感性で感じた思いを大切にしたい。ああいう大人にはなりたくない、と素直に思った事を大切にしたい。
2015年度のNHKスペシャル「新・映像の世紀」では、
『映像は、人間の罪と勇気を照らしだす。
ムービーカメラの発明から100年余り。
映像は、人類が蓄積した膨大な「記憶」である。』
とあった。
■
第1集 『第一次世界大戦 百年の悲劇はここから始まった』(2015/10/25放送)
ドイツの天才科学者、フリッツ・ハーバー博士。アインシュタインさえも天才と一目おいた学者だ。
フリッツ・ハーバー博士は、空気中から窒素を取り出す研究でノーベル賞を受賞したが、毒ガスを発明した人間でもあった。妻クララは、化学で博士号を取得した才女だった。クララは毒ガス製造に反対し続け、最後は自ら命を絶って、悲痛なメッセージを訴えた。
科学は、あくまでも使う人間の発達次第で天使にも悪魔にもなる、ということを歴史のプロセスとして証明した人物でもあった。
(フリッツ・ハーバーとアインシュタイン)
砂漠の英雄・アラビアのロレンス。
新エネルギーである石油を狙い、イギリスからのスパイとしてアラブ社会に食い込んだ。そして、アラブ社会を見事に裏切り、イギリスでは英雄となった。ただ、彼はその葛藤に終始苦しみ続けた。
■
第2集 『グレートファミリー 企業帝国の出現』(2015/11/29放送)
巨大財閥や銀行家などが、「資本主義」という枠組みを作るプロセスを丹念に映像で見せる。
これをすべて不信や怨念の視点で見ると陰謀論として見え、ニュートラルで人類の業の悲しみの視点から見ると、人類の精神史の途上として、学ぶべき教材として見える。
皮肉なことに、ロックフェラーも、おそらく本気で世界を平和にしようと考えていた。
ただ、その平和は一部の人間の枠内での平和であり、そのテリトリー外の人間は、平和を作るための踏み台としての道具に過ぎなかった。
「自由貿易による世界平和(World Peace through Trade)」という標語は、彼らなりのほんとうのことだったのだろう。
戦争自体が、正義と正義のぶつかりあいとして現れる。どちらにも言い分がある。
互いが正しさや善を主張し、平和を掲げて殺し合いに巻き込まれている。
そこには美が、欠けている。
■第3集 第二次世界大戦 時代は独裁者を求めた
こちらは、12/20放映。
NHKスペシャル「新・映像の世紀」として、人類が陥りやすい落とし穴を冷静に観察することで、NHKが提供する素晴らしい映像から、未来の種子として多くのことを学びたい。
すべてが学びであるならば、先人の失敗から多くのことを受け取り、未来を構想できるはず。
調和はちょっとした過ちで不調和へとうつり、そこから、さらに別の平衡状態としての調和へと回帰する。
そうして調和と不調和とが動的平衡状態にあるのは、この自然界の本質でもある。
画像は、今回の映像でヘレンケラー(後ろにはサリバン女史もいる)が、自動車王フォードと、顎の骨を介して会話している様子。
会話がそのまま祈りのような、極めて神聖なシーンだった。
●ヘレン・ケラー『光の中へ』より(→2014-03-31)
‐‐‐‐‐
「自分の周りを認識しているのは内なる人間であり、この内なる源泉から見てこそ初めて感情や感覚は生き生きとしてくる。」
‐‐‐‐‐
「神が宇宙を創造されたのは、生命と歓びを与えたいという神の本性からの限りない要請があったからだ。」
‐‐‐‐‐
「私たちはあまりに自分自身を知らなすぎます。
だからこそ、内なる自己を開き、無知を追放し、仮面を剥ぎ取り、古い偶像を捨て、間違った規範を打破するために、私たちには障害と試練が必要なのです。
このような荒っぽい覚醒手段だけが、絶え間なく圧力をかけてくる外的世界の執拗な窮屈さや煩わしさから私たちを解放してくれます。
そして、そうなって初めて、私たちは真と善と美に対する新たな受容力と評価力を発見するのです。」
‐‐‐‐‐
「私の生活は、盲、聾、唖という三重苦のためにとても複雑なものとなっていますので、思考と努力で自分の経験を合理化しなければ、ごく単純なことすら行う事ができません。
もし、外側の世界を理解しようとせずに、いつも神秘的な感覚だけを働かせていたら、私の進歩は妨げられ、あらゆるものが身の回りに崩れ落ちて混沌となっていたことでしょう。
夢と現実を混ぜ合わせ、霊的なものとまだきちんと見たことのない物質的なものをごちゃ混ぜにするのは私にとって容易いことであり、内的な感覚がなければそれらを分けておくことはできません。
ですから、私は常に外側の生活と内側の生活との均衡を保つように心がけなければならないのです。」
‐‐‐‐‐
1995年の「映像の世紀」から20年も経ったのか・・・。
録画したものを正座して見た。
●NHKスペシャル「新・映像の世紀」(2015年度)
第1集 第一次世界大戦 百年の悲劇はここから始まった(2015/10/25放送)
第2集 グレートファミリー 企業帝国の出現(2015/11/29放送)
第3集 第二次世界大戦 時代は独裁者を求めた
第4集 冷戦 世界は嘘と秘密に覆われた
第5集 若者たちの反乱 NOの嵐が吹き荒れる
第6集 21世紀の潮流 あなたのワンカットが世界を変える
●<参考>20年前に放映された「映像の世紀」(1995年度)
第1集 20世紀の幕開け
第2集 大量殺戮の完成
第3集 それはマンハッタンから始まった
第4集 ヒトラーの野望
第5集 世界は地獄を見た
第6集 独立の旗の下に
第7集 勝者の世界分割
第8集 恐怖の中の平和
第9集 ベトナムの衝撃~アメリカ社会が揺らぎ始めた~
第10集 民族の悲劇果てしなく
第11集 JAPAN 世界が見た明治・大正・昭和
・・・・
20年前の1995年にNHKスペシャルで放映された「映像の世紀」。
生の映像に衝撃を受けた。
学生時代になけなしのお金をはたき、DVD-BOX 全11枚セットを購入した。
学生時代の友人たちとみんなで上映会をして語りあったのを思い出す。
子どもの時、学生の時、素人の時、、、素直な感性で感じた思いを大切にしたい。ああいう大人にはなりたくない、と素直に思った事を大切にしたい。
2015年度のNHKスペシャル「新・映像の世紀」では、
『映像は、人間の罪と勇気を照らしだす。
ムービーカメラの発明から100年余り。
映像は、人類が蓄積した膨大な「記憶」である。』
とあった。
■
第1集 『第一次世界大戦 百年の悲劇はここから始まった』(2015/10/25放送)
ドイツの天才科学者、フリッツ・ハーバー博士。アインシュタインさえも天才と一目おいた学者だ。
フリッツ・ハーバー博士は、空気中から窒素を取り出す研究でノーベル賞を受賞したが、毒ガスを発明した人間でもあった。妻クララは、化学で博士号を取得した才女だった。クララは毒ガス製造に反対し続け、最後は自ら命を絶って、悲痛なメッセージを訴えた。
科学は、あくまでも使う人間の発達次第で天使にも悪魔にもなる、ということを歴史のプロセスとして証明した人物でもあった。
(フリッツ・ハーバーとアインシュタイン)
砂漠の英雄・アラビアのロレンス。
新エネルギーである石油を狙い、イギリスからのスパイとしてアラブ社会に食い込んだ。そして、アラブ社会を見事に裏切り、イギリスでは英雄となった。ただ、彼はその葛藤に終始苦しみ続けた。
■
第2集 『グレートファミリー 企業帝国の出現』(2015/11/29放送)
巨大財閥や銀行家などが、「資本主義」という枠組みを作るプロセスを丹念に映像で見せる。
これをすべて不信や怨念の視点で見ると陰謀論として見え、ニュートラルで人類の業の悲しみの視点から見ると、人類の精神史の途上として、学ぶべき教材として見える。
皮肉なことに、ロックフェラーも、おそらく本気で世界を平和にしようと考えていた。
ただ、その平和は一部の人間の枠内での平和であり、そのテリトリー外の人間は、平和を作るための踏み台としての道具に過ぎなかった。
「自由貿易による世界平和(World Peace through Trade)」という標語は、彼らなりのほんとうのことだったのだろう。
戦争自体が、正義と正義のぶつかりあいとして現れる。どちらにも言い分がある。
互いが正しさや善を主張し、平和を掲げて殺し合いに巻き込まれている。
そこには美が、欠けている。
■第3集 第二次世界大戦 時代は独裁者を求めた
こちらは、12/20放映。
NHKスペシャル「新・映像の世紀」として、人類が陥りやすい落とし穴を冷静に観察することで、NHKが提供する素晴らしい映像から、未来の種子として多くのことを学びたい。
すべてが学びであるならば、先人の失敗から多くのことを受け取り、未来を構想できるはず。
調和はちょっとした過ちで不調和へとうつり、そこから、さらに別の平衡状態としての調和へと回帰する。
そうして調和と不調和とが動的平衡状態にあるのは、この自然界の本質でもある。
画像は、今回の映像でヘレンケラー(後ろにはサリバン女史もいる)が、自動車王フォードと、顎の骨を介して会話している様子。
会話がそのまま祈りのような、極めて神聖なシーンだった。
●ヘレン・ケラー『光の中へ』より(→2014-03-31)
‐‐‐‐‐
「自分の周りを認識しているのは内なる人間であり、この内なる源泉から見てこそ初めて感情や感覚は生き生きとしてくる。」
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「神が宇宙を創造されたのは、生命と歓びを与えたいという神の本性からの限りない要請があったからだ。」
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「私たちはあまりに自分自身を知らなすぎます。
だからこそ、内なる自己を開き、無知を追放し、仮面を剥ぎ取り、古い偶像を捨て、間違った規範を打破するために、私たちには障害と試練が必要なのです。
このような荒っぽい覚醒手段だけが、絶え間なく圧力をかけてくる外的世界の執拗な窮屈さや煩わしさから私たちを解放してくれます。
そして、そうなって初めて、私たちは真と善と美に対する新たな受容力と評価力を発見するのです。」
‐‐‐‐‐
「私の生活は、盲、聾、唖という三重苦のためにとても複雑なものとなっていますので、思考と努力で自分の経験を合理化しなければ、ごく単純なことすら行う事ができません。
もし、外側の世界を理解しようとせずに、いつも神秘的な感覚だけを働かせていたら、私の進歩は妨げられ、あらゆるものが身の回りに崩れ落ちて混沌となっていたことでしょう。
夢と現実を混ぜ合わせ、霊的なものとまだきちんと見たことのない物質的なものをごちゃ混ぜにするのは私にとって容易いことであり、内的な感覚がなければそれらを分けておくことはできません。
ですから、私は常に外側の生活と内側の生活との均衡を保つように心がけなければならないのです。」
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