東アジアの安定にも関連して、日本側の問題としばしば指摘されるのが靖国神社に関る問題です。私自身は以前も書きましたが、8月15日の参拝に関しては疑問もあると思っています。靖国神社にとって宗教的な理由が大きいのは例大祭であり、8月15日には全国戦没者追悼式という立派な儀式が存在しているからです。また、靖国神社は都知事認証の宗教法人なのであって、国として戦没者全体を慰霊する施設はないと考えていいと思います(千鳥が淵戦没者墓苑は海外の無名の戦没者を埋葬する墓苑)。それが必要だとして、民主党の新しい国立追悼施設の話にも繋がるわけですが、私はこれにも疑問を持っています。今現在の正確な見解は良く分かりませんが、「民主党 国立追悼施設」でググるとトップで出てくる2003/07/16の民主党の公式見解について検討しておきます。
①公式参拝について特に抗議しているのは分かるが、明らかに総理や閣僚の私的参拝についても問題にしている。一般国民の参拝を何ら問題ないとしていることとの整合性が取れない。政争の具にするべきではない。信教の自由が認められるのであれば、いつ何時政治家が参拝しようとも、それ自体に問題は無いはずである。更に言えば、「祭神の遺族並びに崇敬者以外の日本国民にとって、ここを戦没者追悼の中心的施設とする政府の考え方(※このようなものがあるかということも疑問)には無理がある。」とか「崇敬者の信教の自由を妨げるものではないが、憲法の政教分離原則は遵守されるべきものである。」とか、何処か信教の自由に介入したいかのように見える余計な一言を言わずにはいられないようである。
参考:外務省の靖国神社参拝に関する政府の基本的立場(平成17年10月)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/yasukuni/tachiba.html
私はわざわざ注目されている時に宗教的に意味の薄い時期に参拝するのは、政治利用と勘ぐられても仕方がない(ので拙い)と思うのみである。公式行事でなければ、干渉される筋合いは無いというのが原則だろう。
②戦争に対する考え方がナイーブにすぎる。あるいは自分に甘い。
>「新しい国立追悼施設をつくる会」の考え方は、戦争そのものの非人間性に注目することから、「戦争そのものが悪である。」と位置付けられており、民主党が提唱する新しい国立追悼施設についても、全ての戦没者を戦争犠牲者と位置付け、非戦平和を訴えるものとする。
民主党の見解ではないが、戦争そのものが悪であるという考えを好意的に紹介している。これは戦争を行う組織であるところの自衛隊や、9.11テロに対応するアフガン戦争、ひいてはそれに参加したアメリカを筆頭とした国際社会も悪であると考えることに容易に繋がるのであって、実際民主党は、アフガン戦争にも否定的であった(最近とてもブレたのは政局至上主義の無節操さを示すものに他ならない)。全ての戦没者が犠牲者というのも、些か日本にとってムシのいい話ではないかと思わなくもない。
・・・最後に付け加えておくと、特に靖国の遊就館の歴史観に賛同するものではありませんが、参拝したからといって、歴史観が同じにはなりません。靖国のことは靖国自身(関係者)、あるいは認証する都知事などが考えてほしいと思っています。私個人の戦争観は、悲惨なので出来るだけやらないように持っていくべきであるが、さりとて全否定は出来ないのであって、個別の事情を検討することから逃げない、といったところでしょうか。
①公式参拝について特に抗議しているのは分かるが、明らかに総理や閣僚の私的参拝についても問題にしている。一般国民の参拝を何ら問題ないとしていることとの整合性が取れない。政争の具にするべきではない。信教の自由が認められるのであれば、いつ何時政治家が参拝しようとも、それ自体に問題は無いはずである。更に言えば、「祭神の遺族並びに崇敬者以外の日本国民にとって、ここを戦没者追悼の中心的施設とする政府の考え方(※このようなものがあるかということも疑問)には無理がある。」とか「崇敬者の信教の自由を妨げるものではないが、憲法の政教分離原則は遵守されるべきものである。」とか、何処か信教の自由に介入したいかのように見える余計な一言を言わずにはいられないようである。
参考:外務省の靖国神社参拝に関する政府の基本的立場(平成17年10月)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/yasukuni/tachiba.html
私はわざわざ注目されている時に宗教的に意味の薄い時期に参拝するのは、政治利用と勘ぐられても仕方がない(ので拙い)と思うのみである。公式行事でなければ、干渉される筋合いは無いというのが原則だろう。
②戦争に対する考え方がナイーブにすぎる。あるいは自分に甘い。
>「新しい国立追悼施設をつくる会」の考え方は、戦争そのものの非人間性に注目することから、「戦争そのものが悪である。」と位置付けられており、民主党が提唱する新しい国立追悼施設についても、全ての戦没者を戦争犠牲者と位置付け、非戦平和を訴えるものとする。
民主党の見解ではないが、戦争そのものが悪であるという考えを好意的に紹介している。これは戦争を行う組織であるところの自衛隊や、9.11テロに対応するアフガン戦争、ひいてはそれに参加したアメリカを筆頭とした国際社会も悪であると考えることに容易に繋がるのであって、実際民主党は、アフガン戦争にも否定的であった(最近とてもブレたのは政局至上主義の無節操さを示すものに他ならない)。全ての戦没者が犠牲者というのも、些か日本にとってムシのいい話ではないかと思わなくもない。
・・・最後に付け加えておくと、特に靖国の遊就館の歴史観に賛同するものではありませんが、参拝したからといって、歴史観が同じにはなりません。靖国のことは靖国自身(関係者)、あるいは認証する都知事などが考えてほしいと思っています。私個人の戦争観は、悲惨なので出来るだけやらないように持っていくべきであるが、さりとて全否定は出来ないのであって、個別の事情を検討することから逃げない、といったところでしょうか。