物流業界を考えていきます。参考図書は「よくわかるこれからの物流」(同文館出版)。section8の「必要なものを、必要なときに、必要だけ」を元に考察します。
>必要なものを、必要なときに、必要だけ調達できたならば、在庫をもつことによる費用発生も不良在庫を抱えるリスクも回避できるわけです。
これはいわゆるトヨタのジャストインタイム(トヨタ)ですね。カンバン方式ともいい、スーパーマーケットの考えを応用したようです。コンビニでもこの方式は採用されたと指摘されていますが、検索してみたところ、特に成果を出しているのはセブンイレブンであるようです(コンビニ国内シェア4割の勢い――「欠品は悪」セブンの強み(真相深層)(日経メッセ))。
コンビニという似たりよったりにも思える業態でセブンイレブンは日販(売上高)で、他社に圧倒的な差をつけています(セブンとファミマの簡単には詰まらない差 経営分析の一歩は誰でも割り算で踏み出せる 東洋経済オンライン 2016年11月26日)。その理由のひとつが「欠品は悪」という考え方と「品切れがない店」の実現だと思います。
売れ線ほど品切れリスクがありますし、お客様がほしい品物が行けばある店の実現がお客様の来店に繋がり売上高につながるというような考え方は、筆者の経験からも納得がいくところです(コンビニで働いた経験はありませんが)。勿論品キレを出さないようにするためには、それ特有のリスクはありますが、それ込みでセブンイレブンは結果を出しているということでしょう。
ただし、コンビニという業態は曲がり角を迎えたとも指摘されていますので、念のため(コンビニ大手、成長曲がり角、人手不足が影、省人化費用などふくらむ。 日経メッセ(2017年7月16日 / 日経ヴェリタス))。JPモルガンの村田氏は、収益改善策として「店舗の生産性向上に伴う採算改善」や、総菜・生鮮食品強化やネット通販・金融分野など「新たな需要開拓による利益創出」を掲げており、新しい成長事業の育成が求められる段階に入ったと指摘されているようです。
「在庫を極力持たない日本企業」は幻想 ジャストインタイムを実現できていないメーカーの内実(日経ビジネス 2011年5月26日)
トヨタのジャストインタイムで在庫を極力持たない日本企業のイメージがあるようですが、幻想だとも指摘されています。それは需要予測が難しいことと、リードタイムの長さが問題であるようです。逆に言えば、そこら辺が解決できれば、まだまだ伸びる余地があるということですね。
つまり、物流リードタイムの短縮が企業の利益向上に直結すると思われます。例えば、物流リードタイムを短縮したい(SBSロジコム)によると、各エリアに乱立した中・小規模の物流拠点を廃止し東西2ヵ所の大型物流センターから直接、取引先に納品する体制に移行するといった物流改革を通じてリードタイム短縮を目指すケースが増えていのだそうです。
今後の取組について 平成29年6月15日(国土交通省港湾局)やスーパー中枢港湾の狙いと施策 (国土交通省)や国際競争力強化のための国際物流施策の推進(国土交通省)なんかを見ると、安倍政権は経済政策をシッカリ行っているようですね。
需要予測に関して言えば、ビッグデータの活用で、精度が上がってくるのではないかと考えられます。そういう意味で顧客のデータを持っているamazonはやはり強いと思いますね。
需要予測におけるビッグデータ活用(三菱総合研究所)を参照すると、位置情報が重要だとか(検索してみましたが、アップルウォッチなんかも位置情報サービスがあるようですね)、SNSログの活用(ツイッターのデータを抽出するサービスがあるようです)に向けた動きがあるとか、そんな感じのようです。
次いで全体最適のマネジメント理論の第一人者と言われる岸良裕司氏のAI任せの需要予測の落とし穴(日経メッセ)という記事が検索で出てきていますので、これを確認してみます(非常に読みごたえがありますので、気になる人はご自身でお読みください)。
変数どうしが影響しあう時、予測は困難だというカオス理論により、ミサイル迎撃は困難だったのですが、刻々と変わるミサイル軌道にあわせて微調整をかける技術が、ミサイル迎撃を可能にしたようです。これが小売りの需要予測に応用できるそうです。
また、9%の欠品の解消で売り上げが5割アップしたという事例もあるようです。売れ筋でこそ欠品が起こるからですね。
氏によるとアパレル業界なんかもリードタイム縮小ができるようです。検索すると、ユニクロはリードタイムの縮小をしていますね(Fリテイリ柳井氏:リードタイムを大幅短縮、首位ZARA並みに(ブルームバーグ 2017年3月16日 13:30)。
こうした全体最適のマネジメント理論(TOC)はイノベーション先進国のイスラエルで生まれたようです。
需要予測編 第1回 『当たらない需要予測は意味がない? 』(mcframe)は、無くせない外れはあるが、それは外れを前提とした業務設計をし、無くせる外れを無くしていくことが重要だと指摘しています。
最後に需要予測に絡めて予測出荷に言及しておきます(予測出荷とは(Weblio辞書 IT用語辞典))。これはamazonの特許で、消費者から注文があることを事前に予測し、注文・購入手続きが行われる前に出荷を進めるという方式のようです(Amazon、「予測出荷」の特許を取得 ― 注文される前に商品を出荷(TC 2014年1月20日))。
・・・何とも言えませんが、外れたらどうするんだろうとは思いますね。気まぐれな人もいますし、カオス理論もあります。日用品なら他で売れるかもしれませんが、ロングテールのマイナー商品なら、丸々無駄になります。見せ球かなとは思いますが、何が成功するかは当のamazonでも完全には分からないでしょうし、いろいろな試行錯誤を積み重ねてイノベーションは生まれるものだと思います。
>必要なものを、必要なときに、必要だけ調達できたならば、在庫をもつことによる費用発生も不良在庫を抱えるリスクも回避できるわけです。
これはいわゆるトヨタのジャストインタイム(トヨタ)ですね。カンバン方式ともいい、スーパーマーケットの考えを応用したようです。コンビニでもこの方式は採用されたと指摘されていますが、検索してみたところ、特に成果を出しているのはセブンイレブンであるようです(コンビニ国内シェア4割の勢い――「欠品は悪」セブンの強み(真相深層)(日経メッセ))。
コンビニという似たりよったりにも思える業態でセブンイレブンは日販(売上高)で、他社に圧倒的な差をつけています(セブンとファミマの簡単には詰まらない差 経営分析の一歩は誰でも割り算で踏み出せる 東洋経済オンライン 2016年11月26日)。その理由のひとつが「欠品は悪」という考え方と「品切れがない店」の実現だと思います。
売れ線ほど品切れリスクがありますし、お客様がほしい品物が行けばある店の実現がお客様の来店に繋がり売上高につながるというような考え方は、筆者の経験からも納得がいくところです(コンビニで働いた経験はありませんが)。勿論品キレを出さないようにするためには、それ特有のリスクはありますが、それ込みでセブンイレブンは結果を出しているということでしょう。
ただし、コンビニという業態は曲がり角を迎えたとも指摘されていますので、念のため(コンビニ大手、成長曲がり角、人手不足が影、省人化費用などふくらむ。 日経メッセ(2017年7月16日 / 日経ヴェリタス))。JPモルガンの村田氏は、収益改善策として「店舗の生産性向上に伴う採算改善」や、総菜・生鮮食品強化やネット通販・金融分野など「新たな需要開拓による利益創出」を掲げており、新しい成長事業の育成が求められる段階に入ったと指摘されているようです。
「在庫を極力持たない日本企業」は幻想 ジャストインタイムを実現できていないメーカーの内実(日経ビジネス 2011年5月26日)
トヨタのジャストインタイムで在庫を極力持たない日本企業のイメージがあるようですが、幻想だとも指摘されています。それは需要予測が難しいことと、リードタイムの長さが問題であるようです。逆に言えば、そこら辺が解決できれば、まだまだ伸びる余地があるということですね。
つまり、物流リードタイムの短縮が企業の利益向上に直結すると思われます。例えば、物流リードタイムを短縮したい(SBSロジコム)によると、各エリアに乱立した中・小規模の物流拠点を廃止し東西2ヵ所の大型物流センターから直接、取引先に納品する体制に移行するといった物流改革を通じてリードタイム短縮を目指すケースが増えていのだそうです。
今後の取組について 平成29年6月15日(国土交通省港湾局)やスーパー中枢港湾の狙いと施策 (国土交通省)や国際競争力強化のための国際物流施策の推進(国土交通省)なんかを見ると、安倍政権は経済政策をシッカリ行っているようですね。
需要予測に関して言えば、ビッグデータの活用で、精度が上がってくるのではないかと考えられます。そういう意味で顧客のデータを持っているamazonはやはり強いと思いますね。
需要予測におけるビッグデータ活用(三菱総合研究所)を参照すると、位置情報が重要だとか(検索してみましたが、アップルウォッチなんかも位置情報サービスがあるようですね)、SNSログの活用(ツイッターのデータを抽出するサービスがあるようです)に向けた動きがあるとか、そんな感じのようです。
次いで全体最適のマネジメント理論の第一人者と言われる岸良裕司氏のAI任せの需要予測の落とし穴(日経メッセ)という記事が検索で出てきていますので、これを確認してみます(非常に読みごたえがありますので、気になる人はご自身でお読みください)。
変数どうしが影響しあう時、予測は困難だというカオス理論により、ミサイル迎撃は困難だったのですが、刻々と変わるミサイル軌道にあわせて微調整をかける技術が、ミサイル迎撃を可能にしたようです。これが小売りの需要予測に応用できるそうです。
また、9%の欠品の解消で売り上げが5割アップしたという事例もあるようです。売れ筋でこそ欠品が起こるからですね。
氏によるとアパレル業界なんかもリードタイム縮小ができるようです。検索すると、ユニクロはリードタイムの縮小をしていますね(Fリテイリ柳井氏:リードタイムを大幅短縮、首位ZARA並みに(ブルームバーグ 2017年3月16日 13:30)。
こうした全体最適のマネジメント理論(TOC)はイノベーション先進国のイスラエルで生まれたようです。
需要予測編 第1回 『当たらない需要予測は意味がない? 』(mcframe)は、無くせない外れはあるが、それは外れを前提とした業務設計をし、無くせる外れを無くしていくことが重要だと指摘しています。
最後に需要予測に絡めて予測出荷に言及しておきます(予測出荷とは(Weblio辞書 IT用語辞典))。これはamazonの特許で、消費者から注文があることを事前に予測し、注文・購入手続きが行われる前に出荷を進めるという方式のようです(Amazon、「予測出荷」の特許を取得 ― 注文される前に商品を出荷(TC 2014年1月20日))。
・・・何とも言えませんが、外れたらどうするんだろうとは思いますね。気まぐれな人もいますし、カオス理論もあります。日用品なら他で売れるかもしれませんが、ロングテールのマイナー商品なら、丸々無駄になります。見せ球かなとは思いますが、何が成功するかは当のamazonでも完全には分からないでしょうし、いろいろな試行錯誤を積み重ねてイノベーションは生まれるものだと思います。