観測にまつわる問題

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生産性が低い企業・財政が悪い企業を削減していくことが経済改革の本丸

2018-03-04 06:07:22 | 政策関連メモ
「日本企業は今の半分に減るべきだ」デービッド・アトキンソン大胆提言(Newsweek 2018年3月3日(土)10時35分)

>皆さんもご存じのとおり、日本ではすでに人口が減り始めています。人口が減る以上、GDPを維持するためには生産性を高めるしかありません。「GDP=人口×1人あたりの生産性」だからです。

全くその通りだと思います。そしてアトキンソンさんの言うとおりに出来れば、一人あたりのGDPは激増します。少子化問題なし!って主張していた論者っていますが、結局こういうことができればなんですよね。自分が見落としていただけかもしれませんが、プロセス無き問題解決に意味はない訳で、ようやく答えが出たなという感じです。さすがに不良債権問題を指摘したアナリストは慧眼ですね。

>日本の人口の減少、特に生産年齢人口の大幅減少は、「経済の常識」を根本から変えるだけではなく、社会のあり方そのものを一変させてしまう、国にとっての一大事です。日本という国は、有史以来の未曾有の事態を迎える、スタートラインに立たされているのです。

最近ようやく人口減少が大分言われるようにったと思いますが、まだまだそれにたいする危機感は共有されていない感じなんですよね。筆者も分かってはいましたが、解決の処方箋無きまま問題を指摘することは逆にマイナスになりかねませんので、指摘を控えてきたところがあります。高齢化率の上昇は女性労働力の活用など労働者を増やすことによってある程度対応できてきたんだと思いますが、今後はそれも難しくなってくると思います。経済学は良く分かりませんが、実質生産性は極端に下がっていますが、これは昔の人がスーパーマンだったということではなく、実質労働生産性は固定価格で計算しているので、物価水準が低かったがゆえに生産性が高く出るのだと思います。最近名目労働生産性が持ち直したのも物価と関係あるのではないでしょうか?いずれにせよ、日本が持ち直すとしたら、それは必ずデフレは解消された時だと思います。黒田総裁が2019年が目処と区切ったのは大きいと思います(日銀総裁、出口戦略「2019年度ごろ検討するのは間違いない」 日経新聞 2018/3/2 15:16) 。


総務省


日本生産性本部


労働政策研究・研修機構

>国立社会保障・人口問題研究所の2012年の推計では、2060年までに、2015年と比較して生産年齢人口が「3264万人」減ると言われています。この規模は、世界第5位の経済規模を誇るイギリスの就業人口とほぼ同じで、同じく経済規模世界第10位のカナダの総人口を上回ります。

>人口減少が進んでいるのは日本だけではなく、一部の先進国でも同様です。しかし、同期間の人口減少は、ドイツで約1000万人、イタリアが約500万人、スペインは約300万人と、日本がその規模で他国を圧倒しています。

>つまり、これから数十年間にわたり、日本だけが他の先進諸国とはまったく違う経済環境に置かれ、どこよりも厳しい経済対策を強いられることになるのです。

筆者を含む多くの人が生きている間に確実に起こる未来です。皆問題は薄々分かってはいたんでしょうが、事勿れ主義で問題を先送りしてきた結果、こうなっているのだと思います。ただ、もう詰んでいると悲観してはなりません。やれるのにやってないことがあるからです。

>しかし、これからの日本経済は、実は生産性が上がりやすい環境となります。なぜなら、人口の極端な減少によって経済が激変するからです。ただしこの状況を生かすも殺すも、経営戦略と国の政策次第です。

>先ほど説明したとおり、日本ではこれから数十年にわたって、生産年齢人口が他の先進国を大きく上回るスピードで減っていきます。それに伴い需要も大幅に減ります。人口の増加に伴って増加した企業の数は、人口が減るのであれば、それに伴い減少すべきなのは当然のことです。

>要するに、消費者が減っているのですから、十分に企業数と供給量を減らさないと供給過剰となり、過当競争になって、デフレに拍車をかける結果になるのです。

>企業の数を減らすべきもう1つの理由は、日本で長年にわたり低下し続けてきた、日本企業の経済合理性にあります。

>1964年以降に増えた企業は、主に従業員数10人未満の企業でした。日本企業をみると、企業の規模が大きくなればなるほど社員の平均給与が増えますので、給与の低い企業を中心に企業数が増えたことになります。規模の経済が働かない企業が増えて、企業の経済合理性が継続的に低下していたことがわかります。

>幸いなことに、企業数は減っており、特に生産性の低いところから静かに減っているのです。企業数全体は、1995年の389万社から、2015年には352万社まで減りました。1社あたりの社員数も増えており、全体で見ればいい方向に進んでいると評価できます。特に、給与が最も少ない、従業員10人未満の企業の数が最も減っているのは安心材料です。

>給料が少ない企業の存続が今後ますます難しくなるのは、生まれてくる子どもの数と企業の関係を見ればわかります。

>しかし、日本では人口減少に伴い需要自体が減るので、せっかく作っても買う人がいなくなります。供給過剰分をすべて輸出できると考えるのはあまりに楽観的すぎるので、結局、日本の企業の数は減ってしかるべきなのです。

>くだらない例で言えば、散髪をする人間が減っても、ロボットにやってもらえば美容室の数を守ることはできるかもしれません。しかし人口が減る中で、誰の髪の毛を切るのでしょうか。日本人が消費しなくなる分を輸出することができなければ、過当競争になるだけです。

>日本では企業の規模が小さければ小さいほど生産性が低いのが現実で、これら企業の存在が全体の生産性を引き下げる結果を招いているのは間違いのない事実です。

経営戦略と国の政策がちゃんとすることが日本復活の条件ですね。具体的にはアトキンソン氏が指摘するように生産性の向上だと思いますが、これは巷で言われているようにAIやロボットを導入するだけでは達成できず(供給を絞らないとデフレで価格が下がるので)、生産性の低い企業が経済常識通りに退場することによって達成されるということだと思います。それがこれまで出来ませんでした。

中小企業やフリーランスでも生産性が高い業種なら構わないと思いますし、生産性が高いに関わらず後継者不足に陥っている中小企業があるとすればそれは問題ですが、日本が普通に存続するためには生産性が低い企業を生かしておく余地はないと見切らなければなりません。それはこれまで無かった(目立たなかった)問題を生むと思いますが、仕方の無いことです。

具体的には給与を出せないところ、財政が悪いところ、無駄に補助金を食べているところはドンドン潰れると思います。潰れた企業の代わりに生き残った企業が仕事をする訳です。M&Aも進むと思います。需要が減った分供給が減ればバランスがとれますし、物価が上がれば名目GDPも上がります。そういった状況下でIotやAIにシッカリ対応して実質的な生産性も上げていけば、何とか日本終了を避けられるのではないかと思います。金融緩和で持ち直した安倍政権も出口を言われるようになりましたし、今のやり方のままでは誰がやってもジリ貧で日本が終わることは確実でしょう。新技術に対応するだけじゃダメで、やはり生産性が低い企業を無理やり生かす温情が日本をダメにしている元凶なのだと思えます。こういうとあらぬ妄想がドンドン広がりそうですが、生産性が低い人は死ねと言っている訳ではありませんし、地方潰れろと言っている訳ではありません。生産性が低い企業ややり方は止めにして、生産性が高い企業が仕事をするべきだし生産性が高いやり方に変えていこうと言っているだけです。日本が破綻しなければセーフティネットは維持されますが、破綻すればそれも無くなります。困るのは年金で暮らしている高齢者・将来の自分だったりするんじゃないでしょうか?新自由主義ガーって言いたがる人が邪魔をするかもしれませんが、足を引っ張ってほしくないですね。

常識で考えれば分かるじゃないですか。デフレで給与上がらず税収上がらず社会保障が増え人口が減ったら日本が終わることは。これは新技術を導入する対処療法だけでは焼け石に水です。今ある出来ているものを活かしそこに集約していくことでこの危機は乗り越えられるんだろうと思います。適度なインフレで給与を上げて(上げられない企業は潰れて)税収を上げていくことが重要です。医療でもわずかな期間延命するためだけのために莫大な治療費を使うのは問題だと思いますよね。よほどお金持ちなら自分の金で好きにしたらいいですが、皆がそれをやろうなんてことは不可能な訳です。経済も同じで儲からない商売を何時までも続けることは出来ません。成功するか誰にも分からない先端分野で技能がある人は失敗してもドンドン再チャレンジするべきだと思いますし、潰れた企業にいた人も新天地で勿論働くべきとは思いますが、兎に角無理せず維持不可能なものは整理していかねばなりません。

さすがにオックスフォード出でゴールドマンサックス出身で不良債権問題を指摘した日本を良く知る人の分析は違いますね。日本全体の問題を俯瞰してよく見抜いている感じがします。文化財修復の現場にいて(会社を運営し)観光に関する提言も広く受け入れられていますが、現場を実際に知っている経営者ならではなんでしょうね。明治期のお雇い外国人(ウィキペディア)もこんな感じだったのでしょうか?

>今後の日本で減るのは、0~14歳の若年人口と15~64歳の生産年齢人口だけです。高齢者は減りませんので、当然、医療費や年金の負担は減りません。また、人口が減っても、国の借金は減ったりしません。

>社会保障の維持と国の借金を考えれば、GDPを減らすことが日本にとって自殺行為なのは明らかでしょう。

はい、反論できる人いますか?できなければ黙っててほしいですが、日本にとって良くても自分個人が損する人は抵抗するかもしれません。そういう人とは戦うしかないですね。高齢者も何れは減りますがそういうことではありません。出生率が向上しない限り、高齢化率が高いトレンドは改善しません。消費税上げで社会保障を維持しようなどというビジョンではデフレを誘発しジリ貧からの破綻は間違いなしと思います。借金を減らすには適度なインフレで税収を上げるしかないと思いますが、供給が絞られない限りデフレ脱却はなりません。供給を絞るためには過当競争を無くすことで、生産性が低い方が退出するなりM&Aするしかないと思います。みんなで供給を絞ったら少量生産になって効率が悪化するだけでしょう。誰がそんな企業に投資するんでしょうか?言い訳は必要ありません。これはやるかやらないかだと思います。

>人口が増えていたころの名残なのか、日本政府は、いや日本人全体が、国内の企業の数が多いことを好ましいと考えています。特に中小企業が好きなようで、中小企業の数がちょっとでも減ったり、倒産や廃業が増えたりすると大騒ぎになります。

>しかし、やっと生産性の低い企業の整理を進めるチャンスが訪れたのですから、政府はその動きを邪魔するべきではありません。喜んで生産性の低い企業から削減するよう、励んでほしいと思います。

>企業統合を促進する政策を打って、規模の経済を追求する体制を作るメリットは非常に大きいです。特に、これから一部余る供給を海外に輸出する必要が生まれていますが、10人未満の企業にはかなり厳しいと思います。

>また、ITなどは特効薬にならないにしても、これからは人があふれていた時代から人が貴重な時代になりますので、ITを本格的に活用する必要があります。IT投資を生かすにも一定の規模が必要ですので、やはり企業統合を促進することが求められるのです。

絶対に中小企業がダメという訳ではないと思いますけどね。基本的にはアトキンソン氏の言う通りだと思いますが、輸出が関係ない業界は多いですし、日本は内需の国になってますので、それほどインパクトの大きい話ではありません。パソコンを使わない仕事もありますし、パソコンが使えれば十分な仕事もあります。でも、投資しなければならないことが分かっているのに、金がないから投資できないとか、中小だから対応できないとか、そういう企業は退出する(合併する)しかないということだと思います。政府も腹を括って生産性が低い企業・団体を削減していく方向性に切り替えていかねばなりませんし、そうすると確実に反対が増えますので、政治家は厳しいところもあるかもしれませんが、日本をダメにした政治家として退出を強要されるのとどっちがいい?ってことになるんじゃないかと思います。日本人も何も滅びたい訳じゃないと思いますので、説明すれば理解する人は増えてくると思います。

以上でテーマ「経済」はとりあえず終わりにします。勿論経済問題はこれからも取り扱いますけどね。


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