『障害児と共に学ぶ』
この本は50ページ余りの短いブックレットです。
「はじめに」に、「結論」がすっきり書いてある面白い本です。
≪はじめに≫
本書は、すべての子どもを受け入れるような学校、
つまりインクルーシヴな学校の哲学と、
そのような学校を目指す、国際的な運動の要求を紹介する。
イギリスの特別学校(スペシャル・スクール)は、
障害を持った子どもたちや、
学習の面で困難を経験している子どもたちを、
他の子どもたちから隔離して教育している学校である。
本書は、人権原理に基づき、
こうした隔離教育を終わらせるという緊急課題について、
現在進行中の論議や会議の状況、
またイギリス国内外の発展段階を明らかにしたものである。
◆
インクルージョンは、第一義的には、
教育の問題でも、
職業の問題でもなく、
なによりもあらゆる人びとに関わる
基本的人権の問題である。
◆
インクルージョンへの子どもの権利は、
親による選択に優先するものである。
◆
イギリスの教育法は、
分離の強制により、障害児を差別している。
◆
イギリスの法律は、
①強制的な隔離をやめにし、
建物、教育課程、施設、設備を、
障害児にとって利用可能にするように
徐々にすべての普通学校を建て直すため、
そして、
②すべての特別学校を徐々に閉鎖していく計画を立てるために
改正される必要がある。
・・この本は10年前に出版されたものです。
最近、インクルージョンという言葉があふれていて、
なんだかよく分からない感じがしていました。
でも、これなら、やっぱりよく分かります。
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