現代語訳 RONINのすすめ (其の五)
「定員内不合格」は、子どもに対する学校の残酷さと私たちの社会の脆さを突きつけてくるが、それと同時に、子どもの思いがけない成長とレジリエンスを教えてくれる。
この子が人生をかけて、仲間たちへ伸ばす手がみえる。
この子が人生をかけて守ろうとする居場所が、高校にあると教えてくれる。
小中学校の9年間、仲間と一緒に生きてきたからこそ、みんなが希望と不安に揺れながらも高校に向かう姿を感じ、自分も受験に挑戦しようとするのだ。
それは、この子にとって自分の身体を使い、自分の人生をかけて、自分の居場所を確保する体験なのだ。
だから、私たちは何よりもまず、この子がRONINしている今を思う存分生きることを応援したい。
そのためには、定員内不合格に圧倒され、自分が悪いのだと、子どもが間違わないように。
そうじゃないよ、と伝え、子どもが9年間の間に身につけた自信を取り戻すように支える必要がある。
他の「障害」の「できない」ことは、配慮され、みんなとの居場所が安全に守られるのに、知的障害の子の「できない」ことは配慮されず、みんなとの居場所を奪われる。
空いている椅子にさえ、座らせてもらえない。
教室の椅子に座る「能力と適正」とは、何か?
小学校、中学校の教室の椅子と、高校の椅子は、座る資格が違うのか?
小中学校の教職員たちが9年間大事に育てた子どもたちの関係を、共に生きる子どもたちの未来を、未熟な経験しか持たない高校の校長に、判断されてたまるもんか。
ごく当たり前の日常を取り戻さなければ、自分の納得のいく人生に置き去りにされてしまうから。
だから、今度こそ、高校に行こう。
あなたの思いが高校にも伝わる日が必ず来るから。
さてと、人生の忘れ物を取り戻しに行こうか(=゚ω゚)ノ
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