「インクル」と「フルインクル」(その1)
先日届いた神奈川の会報に、
山田真さんの講演記録がありました。
『特別支援教育を討つ』
これを読むと、やっぱり「インクルージョンは怪しい」
と思います。
たしかに、本屋さんに行くと、「特支教育」の人たちが、
「インクル」をうれしそうに使っているのが目につきます。
でも「インクルージョン」って、本来は
「どの子も、地域の普通学級へ」ってことでしょ。
そう思って、私も、何度か
「インクル」について書きました。
でも、「インクルージョン」には、
「インクルージョン」と「フルインクルージョン」
の立場があるらしいのです。
(ややこしいので、
「インクル」と「フルインクル」にしちゃいます。)
まずは、「インクル」の考え方。
【インクルは、「すべての子どもたちに適切な学習指導を」、
ということを優先して考える。
だから、インクル主義教育は、
重い障害の子どもを普通学級から排除する。
インクルは、分離教育を否定しない。】
つまり…、
インクルは「特支教育そのもの」ってことです。
では、「フルインクル」はどんな考えか?
「インクル」の人は、「フルインクル」の人を、
融通の利かない無茶な人たちだと思っているようで、
こんな言い方をします。
「あの人たちは、教師の第一の職務は、
障害のある子どもたちが、障害のない人たちと
友だちになることができるように支援すること
であると信じている。」
「え~~、それでいいんじゃないの?」
って思った人は、
インクルじゃないってこと(^_-)-☆
他にも、インクルの人があきれる言葉は続きます。
「さらに、教師は次のことをしなければならない。
普通に発達している子どもたちを支援して、
障害についての固定的な概念を修正させる。
障害のある子どもたちを支援して、
子どもたちが知り合いや、職場の同僚や、
家族のメンバーや、友人などとの幅広いネットワークの中で、
より効果的に交流できるように、社会的スキルを開発する。
そして、そして
特別なニーズをもつ子どもたちを
通常学級に措置することは、
フルタイムでなければならない!!!」
これらの言葉を、「あたりまえ」って思う人は、フルインクル。
「それは無茶だ」って思う人は、インクルってことになります。
インクルかフルインクルか、
まだ迷っている人のために、
もう一言、ヒント。
「友だち作りや態度の変化や、社会的スキルの発達は、
通常学級の中でしか起こり得ない。
理由はかんたんである。
これらの目標を達成するためには、
年齢相応の障害のない子どもたちが存在しなければならない
からである。」
「そうそう、かんたん、かんたん」って思う人は、
フルインクルってこと(o|o)
だから、「インクルージョン」ていう人に出会った時は、
「インクル? それともフルインクル?」
って確かめないとね(^。^)y-.。o○
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