子どもにとって、まず一番に「受けとめること」が大事だというとき、
子どもが「できること」を軽くみているのではない。
むしろ、「できたー!」と声をあげる子どもの喜びを、
一緒に喜び合うためにこそ、
ありのままを受けとめることが大切だと思うのだ。
子どもに対して、
「できること」を、受けとめの条件にしてしまったら、
子どもの成長やできることが、
ただの「取り引き」になってしまう。
子どもが「できたー!」と笑顔で振り向く、
いまこの瞬間の豊かさを共に喜び合うために、
点数や比較に惑わされず、
子どもの世界が豊かになることを純粋に喜ぶために、
私たちは「子どものできる」を、受け止めの条件にしてはいけない。
子どもにとって一度きりの子ども時代を犠牲にしてはいけない。
同じ年ごろの仲間と過ごす豊かな時間を奪ってはいけない。
まして、取り引き材料を並べて、
子どもが「自分を分けること」を
「自分で選んだ」という形に押しつけてはいけない。
『ゆめちず』に天宙くんのノートが載っている。
私は天宙くんのノートを眺めながら、
ふいに涙がこぼれそうに嬉しいのだけれど、
それは、天宙くんが「ちゃんとノートをとれる」ではない。
「ノートを取る」という、目に見える形のなかに、
その教室で、先生や仲間に受けとめられて、
堂々と自信をもって高校生している姿が伝わってくるからだ。
高校での、生き生きした豊かな学校生活の実感が、
私たちを豊かで幸せな気持ちにさせてくれるのだ。
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