「15歳」は、私の中での新しい「問い」です。
この社会は、「15歳」の子どもにどんな障壁を作ったか?
私たちは、「15歳」の子どもをどう扱ってきたか?
「15歳」という地点に向かう、14歳までの子どもたちは、どう扱われてきたか?
子どもたちは、何に、向かい合わされていたのか?
(a)障害児を普通学級へ、が少しずつ実現されていた時期、新たな障壁は「高校」(15歳)でした。障害児の高校進学に28年関わってきました。
(b)定時制高校で「15歳」(+α)の子どもたちの姿を17年みてきました。
(c)そこには、中学で「不登校」だった子どもが、毎年、何十人と入学してきました。
私は、「15歳」で定時制高校にくる子どもたちの、14歳(±α)の姿に会いたくて、同じ地域の中学の「適応教室」の講師を14年やりました。
(d)そして、いまは中卒や高校中退という状態で、家庭のない「15歳」(+α)の子どもたちと一緒に暮らす仕事をしています。
二日前にようやく、(a)~(b)がつながりました。
定時制高校には、様々な家庭の事情を抱えた子どもたちがいました。
不登校だった子や外国からきた子どもたち。
援助ホームから働きながら通ってくる子どもたち。
10代で働きながら一人暮らしで通ってくる子どもたち。
また腎臓の病気や白血病などの病気で、中学時代に長期入院していた子どもたちもたくさんいました。
この社会は、15までになんらかのハンディを背負った子どもに薄情な社会です。
昔、私が生まれたころ、この社会には「15の春を泣かすな」という流行語?がありました。
その国民運動は、1974年には90%の高校進学率を実現しました。
戦後、30年足らずの間に、です。
その1974年からさらに40年が過ぎようとしているいま、この社会は高校の進学率を98~99%で、意図的に止めています。
今の社会は、「15の春を泣かすな」と多くの人が願う社会ではなく、その流れに乗りそこなった「15歳の子どもの1~2%を見捨てる」社会です。
高校の授業料無償化も、「15歳の子どもの1~2%を見捨てる」社会を維持するだけのものでした。
高校に行きたくても行けない子どもたちはどんな子どもたちか。
たとえば、障害のある子どもたち。
たとえば、養護施設の子どもたち。
たとえば、生活保護家庭の子どもたち。
それぞれの、「進学率」をみれば明らかです。
また、その反作用として、多くの子どもたちが、「特別支援学校の高等部」に「進学」しています。
そこでは、いわゆる障害のない子、不登校だった子ども、中学時代いじめられていた子ども、といった子どもたちの数があきらかに増えています。
(私が言うのではなく、特別支援学校の校長先生たちの発言です)
この社会は、「成人の儀式」のような形を、15歳で強いているように、私には思えます。
私が分かりたいことは、「15歳という差別を生み出す地点」に連なるものだという「問い」が分かった気がしました。
もう少し、自分の分かりたいことのために時間がほしいと思いました。
手術以来、自分のために「もうちょっと生きたい」と思ったのは初めてです。
まだ、ぜんぜんまとまりませんが、メモを続けようと思います。
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