若いころは、文部省や理解のない学校、教育委員会は
「敵」だと思っていました。
差別をなくすのは、そうした大きな力を持つ
「敵」に勝つことだと思ってきたところがあります。
9日、『公立高校の希望者全入を求める緊急集会』を行います。
一昨日、ようやく集会資料ができました。
資料を作りながら、この三十年を振り返っていました。
康司をはじめとして東京で高校に挑戦し続けてきた子どもたち、
そして千葉で高校に挑戦し続けてきた
百十一人の子どもたちのことを思い出しながら、
私たちは何をしてきたのかと、考えていました。
「障害児の高校進学」を初めて切り開いた子どもたちは、
もう40歳前後なんですよね。
アラフォーっていうんだぁ(>_<)
そんな中で、ふと思ったメモを、書き留めておきます。
はじめに浮かんだ言葉は、
「敵は学校だろうか?」というようなことでした。
「敵は校長だろうか?」
「敵は教育委員会だろうか?」
「敵は先生だろうか?」
□ □ □
《「敵」についてのメモ (その1)》
敵は、学校や先生や教育委員会ではありません。
それらが「敵」であるなら、
私たちは、敵に勝ち続けなければなりません。
でも、私たちは、「戦い続けなければならない」のではありません。
たとえば私たちは、「敵」の姿をした年寄りが、
まもなくそこから去り、
この世からも去っていったのを、知っています。
その間にも、子どもたちは成長し大人になっていきました。
私(たち)は、差別する敵と戦い、勝ち続け、
子どもを傷つける敵から守らなければならないと
思っていたところがあります。
でも、私たちが日々の生活の中で、
子どもを学校に委ねながらしてきたことは、
子どもの味方に出会い、仲間を作り、育てることでした。
「なんとか長」とか名のつくトップがだめなら、
長を倒すことより、若手に語り続けることをしてきていたのでした。
若手を長の家来として、全員を敵に回して倒すのではなく、
そのときどきに、子どもへの思いを届けてきたのだと、
そんなことを思っています。
「私たちが、子どもにもらった「当たり前の世界」
「子ども同士の豊かな世界」
私たちも、子どもたちに教えてもらわなければ
分からなかった世界がいっぱいあります。
もしかしたら、最初は、子どもにとって、
私たちが「敵」の顔をしているように見えたかもしれません。
「敵」の形に見えたかもしれません。
でも、子どもたちは、「親」や「兄弟」や「友だち」と、
戦いはしません。
仲間になろう、遊ぼう、いっしょに人生を楽しもう、と
いつも誘ってくれました。
そして、障害のあるふつうの子どもも、
障害のないふつうの子どもも、
そこの「子ども」であることは、いつだって、ふつうで、
おなじで、いっしょでした。
そんなことも、この社会の大人は、長い間、知らないできました。
障害児を「教育不能」と間違えてきました。
障害児は「分けて教育するのがいい」と間違えてきました。
障害児を普通学級に入れても、
「自尊心をなくす、自信をなくす、卑屈になる」などと、
自分たちの心を、子どもたちに写して、
無駄だと言い放ってきたのでした。
それも、間違いだよと、子どもたちが教えてくれました。
「分ける大人」「分ける学校」それは、
「分ける友だち」を作りました。
子どもたちにとって、分ける大人は、
やはり「敵」の顔に見えただろうと思います。
でも、やっぱり、子どもたちは、
親や大人を敵とは言いませんでした。
(親は敵だといえるようになるのは、
ずっと大人になってからのこと。
それもごく一部の人たちだけでした。)
私たちは、長い間、間違ってきた歴史を、
子どもたちに引き継がない努力をしなければなりません。
子どもたちの未来のために。
障害があることで、子どもが分けられたりしないのが
当たり前になるように。
□ □ □
『公立高校の希望者全入を求める緊急集会』
日時:2010年5月9日(日)
13:30~16:30
場所:千葉市生涯学習センター・大研修室
参加費:(資料代として)600円
主催:公立高校の希望者全入を求める緊急集会実行委員会
後援:共に育つ教育を進める千葉県連絡会
千葉「障害児・者」の高校進学を実現させる会
公立高校の定員内不合格をなくす会・千葉
なくそう!高校定員内不合格・全国ネットワーク
□ □ □
ワニなつノート読者プレゼント(^^)v
9日、参加できない方で、当日資料を読みたい方は、
コメントに「資料希望」とお書き下さい。
(住所、氏名は、《公開》になりません)
今なら、先着5名様に無料プレゼントします(^_-)-☆
半分以上は、ワニなつノートに載っている内容ですが…。
コメント一覧

yo

ai

ありんこ

yo

hiro
最新の画像もっと見る
最近の「0点でも高校へ」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- ようこそ就園・就学相談会へ(504)
- 就学相談・いろはカルタ(60)
- 手をかすように知恵をかすこと(29)
- 0点でも高校へ(393)
- 手をかりるように知恵をかりること(60)
- 8才の子ども(161)
- 普通学級の介助の専門性(54)
- 医療的ケアと普通学級(90)
- ホームN通信(103)
- 石川憲彦(36)
- 特別支援教育からの転校・転籍(48)
- 分けられること(67)
- ふつう学級の良さは学校を終えてからの方がよくわかる(14)
- 膨大な量の観察学習(32)
- ≪通級≫を考えるために(15)
- 誰かのまなざしを通して人をみること(134)
- この子がさびしくないように(86)
- こだわりの溶ける時間(58)
- 『みつこさんの右手』と三つの守り(21)
- やっちゃんがいく&Naoちゃん+なっち(50)
- 感情の流れをともに生きる(15)
- 自分を支える自分(15)
- こどものことば・こどものこえ・こどものうちゅう(19)
- 受けとめられ体験について(29)
- 関係の自立(28)
- 星になったhide(25)
- トム・キッドウッド(8)
- Halの冒険(56)
- 金曜日は「ものがたり」♪(15)
- 定員内入学拒否という差別(97)
- Niiといっしょ(23)
- フルインクル(45)
- 無条件の肯定的態度と相互性・応答性のある暮らし(26)
- ワニペディア(14)
- 新しい能力(28)
- みっけ(6)
- ワニなつ(351)
- 本のノート(59)
バックナンバー
人気記事