通級や特別支援教育への疑問は、まだまだ続きますが、
ここで、私が「特殊教育」時代から賛成だった部分を、
書いておきます。
私が書くものは、疑ったり、抗議したりばっかりの気がします。
でも、「特殊教育」の中でも、私がもっと増えればいいのに、
と思うものがありました。
それは、いわゆる「院内学級」です。
(ただし、いわゆる病院付属の「病弱児養護学校」に関しては、
微妙なところがあります。詳細はまた別の機会に。)
重い病気やケガで、長期入院している子どもが、
簡単な手続きで学べる「院内学級」や、
入院している子どもへの「訪問教育」などは、
もっともっと充実させるべきだと、私も思います。
それが、「特殊教育」という枠組みで行われてきて、
いまは「特別支援教育」という枠組みで行うとしても、
「院内学級」が増えることには、大賛成です。
今すぐにでも、入院しているすべての子どもに、
ベッド数が10個の小さな病院でも、
そこに子どもが入院したら、次の日からでも、
「先生」が訪問して、子どもと一緒に勉強したり、
話したりできる「特別支援教育」なら、
もっともっと充実すべきだと思います。
そして、退院したらすぐに、地域の学校に戻れるように、
退院後に必要な配慮を、訪問の先生が学校に伝えていくこと。
そうした、「連携」なら、いいとも思います。
退院でなくても、一時帰宅でも、元の学校に帰れるように。
そうした「特別支援」は大歓迎です。
日本の病院に入院する子どもの環境は、あまりにお粗末です。
以前、児童相談所の一時保護所で働いていたときには、
そこで「保護されている子ども」への「教育支援」が
あまりにお粗末で遅れていることも感じました。
病院であれ、児童相談所であれ、
親や家族と離れ、
ひとりぼっちの不安を抱えて暮らしている
子どもへの「教育支援」は、あまりに不十分です。
その一方で、いま、普通学級で
「手がかかる」「面倒見れない」とみなされ、
放っておかれる子どもを、
「特別支援学級・学校」に送り込むことには、
全力投球です。
子どもへの「支援」の中身、支援の手だて以前に、
「支援」そのものの考え方が
根本的に間違っているからだと思います。
そこでは子どもが主体である、ということが、
いつも忘れられています。
子どもの気持ちは二の次で、
大事なことは専門家が決めてあげる
という発想をまず改めるべきです。
子どもが、どんな障害を抱えていても、
どんな病気と闘っていても、
「ふつうの子ども」であるために、
「ふつうの子どもの生活」を送るために、
可能な限り「ふつうの生活」に近づけるためにこそ、
特別な支援、特別な配慮を、考えるべきなのです。
子どもを、ふつうの子どもたちの日常から抜き出すこと。
ふつうの子どもたちの暮らす地域から抜き出すこと。
ふつうの子どもたちが群れている学校から抜き出すこと。
ふつうの子どもたちが所属する学級から抜き出すこと。
ふつうの子どもたちの帰る家と家族から抜き出すこと。
「特別に抜き出して支援してあげる」ことが、
やはり大間違いの元です。
命に関わる病気やけが、
入院以外にその子の健康が守られない場合に、
「止むを得ず」入院という形で、
大切な「日常の暮らしの場」から
抜き出された状態の子どもには、
可能な限り「特別な支援」を惜しみなく行うべきです。
いまの「特別支援教育」は、それとは反対の力が大きすぎます。
(ちなみに、厚生労働省は、「健やか親子21」という取組で、
小児科等のあるすべての病院に院内学級を設置することを
目標にしているのだそうです。
そう、文部科学省でなく、厚生労働省なんですね。
文部科学省は、分けることばかり熱心だからかな~と
こんなところでも、つい思ってしまいます。)
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