1.《初めての助け》
「ルポ児童相談所」という本を読み始めた。副題に「一時保護所から考える子ども支援」とあるが、これは「逆」だとおもう。
まだ半分しか読んでいないが、本来なら、この本のタイトルは「一時保護所」だ。
でも、それじゃあ、なんのこっちゃ?となり、本を手に取ってもらう機会が減る。だから、メインタイトルが「児童相談所」で、副題が「一時保護所」なんだろう。
そんなことはどうでもいい、問題は中身だ、と言われるかもしれない。
でも、私にはここが最も大事なことだ。
「児童相談所」(ジソー)という本なら、手に取る人が多い。中身の見当もそれなりにつく。
だけど、「一時保護所」(ホゴショ)という本では、ほとんどの人が、何の話しか分からない。
ところが、今の世の中には、「虐待」や「貧困」「発達障害」「子育て」「若者」の支援の話しがいっぱい増えている。
それって、子どもが生まれて初めて出会う「保護」「支援」の場所と人と生活が、どのようなものであるかを知らずに、「その後」の子どもたちを助けようとしていることになる。
つまり、「虐待」のひどさは、多くが知っている。
けれど、「はじめての助け」のひどさ、至らなさ、については、誰も知らない、ということ。
子どもが、「初めての大人の助け」を、どういうものと、受け取り、学び、感じてきたか。
そのことを知らないで、「助ける」ことはできない。
そうおもう。
で、この本は、一時保護所での「はじめての助け」が、子どもたちにとって、どのようなものであるかを教えてくれる。
(つづく)
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