「個人の自立」ではなく「関係の自立」を (1)
篠原先生の話は、私には難しいことが多くて、
ちゃんと理解できてないところがいっぱいあります。
でも、よく分からないけど、「これは絶対大事!」と
思う言葉がいくつもあって、
その中の一つが「関係の自立」という言葉でした。
18年前に読んだ本の言葉です。
『「個人の自立」という近代思想が、
「関係の分断」を合理化すると主張して、
なによりも、「関係の創造」をと呼びかけてきた。』
当時、私はこの言葉の意味を
ほとんど理解できませんでした。
「近代思想」がまったく分からず??
関係の分断を合理化も??
でも、「個人の自立ということでなくて、
関係の自立ということだろうか」という、
その言葉の響きだけが心に残りました。
☆ ☆ ☆
今回、その本を引っ張り出してきて、
この部分を読んだとき、すぐに浮かんだのが、
佳ちゃんと手をつないで授業を受ける子どもたちの姿でした。
「目も見えないし、耳も聞こえない」と言われた
佳ちゃんと同じクラスになった1年生の子どもたちは、
「手をつないで授業をうける」
というコミュニケーションを編み出しました。
盲ろうになった福島さんと会話するために、
お母さんが、ふと思いついて、福島さんの左右6本の指に、
点字を打ってみたのと同じ、心の動き、
「コミュニケーション」したいという気持ちが、
触れるという形でつながっています。
わたしは、「誰かのまなざしを通して世界をみる体験」
というものを思います。
「わたし」が、「わたしたち」でもある、
そうした学び方、まなざし方、生活の実感があります。
そのなかで、感じる「わたし」のありようは、
「自立した個人」であるよりは、
人と理解しあう喜びを感じる感性そのものであり、
それが何より、自分を支える自分になるという予感がします。
(つづく)
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