《コミュニケーション
できないのは だれ?》(下)
《再現・シーン1》
大人が(大人の意思で)、子どもに話しかける。
子どもは(自分の意思で)、答えない。
大人が(子どもを試す目的で)、子どもに何か指示する。
子どもは(テストに興味も意味も感じないので)それを聞かずに、自分の判断で行動する。
大人が(客観的な記録を残すため)、子どもに各種の働きかけを試みる。
子どもは子どもの判断で目もあわさず、自分の価値観に基づいて自分の興味のあるものを探す。
《かっこいい話》
自分の判断で自分の思うままに行動する子ども。
先生や大人の顔色なんか気にしないで、
「自分」を通すことのできる子ども。
学校の決まり事や先生に怒られることより、
自分の感覚、自分の思いを大切にする子ども。
そんな子どもって、わりかしカッコいいんじゃないだろうか。
6才くらいなら、それくらいの「自分中心」は、
他人のことを考えられないんじゃなくて、
ただ自分の世界でせいいっぱい生きようとしている姿のこと。
6才で45分座っていられるかという心配を毎年聞く。
現実には、座っていることくらい誰でもできる。
「できる」まで、ちょっと時間がかかる子がいる、というだけ。
まず思う存分、気がすむまで、自分と対話すること。
自分中心の世界でわがままに自分を確かめること。
そうして、他の子と対話する自分の足下を確かめること。
みんなが見えている場所で、自分に安全な距離を測りながら、いること、
そういう対話を繰り返す月日が、
やがて、言葉で対話する日を準備することもある。
これは治療の話ではない。
これは教育の話ではない。
ただ私がこの30数年の間に出会った、
ふつう学級の子どもたちに共通する思い出の話。
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