映画「風は生きよという」
素敵な映画でした。
映画に描かれているのは、「人工呼吸器をつけても、この社会で私たちと一緒に生きよう」という海老原さんたちからの風の誘い、です。
映画を観ている途中で思いました。
この誘いの風は、どこかで感じたことがある…。
それは、呼吸器をつけた歩さんやとらちゃんから感じた風と同じ風でした。
20数年前、小学校一年生だった歩さんと大人になった今の歩さんのことをほんの少しだけど知っているおかげ。
今年、小学校一年生になったとらちゃんと、保育園入園のときに出会えたおかげ。
「ふつう学級は無理とおもう子に出会ったことがない」
就学相談会で、いつもそう言えるようになったのも、出会ってきた子どもたちから、私へのプレゼントでした。
私的には「みんなの学校」よりも、この映画の方が圧倒的に「みんなでいっしょに」というおもいを感じました。
「みんなの学校」より、この映画が好きな理由。
「みんなの学校」で私が受け入れがたかったのは、テストをやっている教室を気にしていた子どもの表情と、みんな一緒は小学校までで「中学校」は違う…と言いたげな「映画の作り」でした。
「風は生きよという」
この映画には、中学はもちろん、高校も当たり前の日常として描かれています。
映画の中で二度の「不合格」の場面があります。
その場面でも、「現実はむずかしいことがある…」という空気は、スクリーンには映っていませんでした。
合格、不合格のある入試という現実は、義務教育である中学に行くことよりも圧倒的に「難しい」はずなのに。
画面いっぱいに映っているのは、無条件に子どもの願いの側に立つ、という覚悟のようなものでした。
…という訳で、家に帰ってから、高く積まれた本の中から海老原さんの本を引っぱり出して読み始めました。
(『まあ、空気でも吸って』海老原宏美 現代書館)
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