「共通する子どもの苦労」を明らかにする(1)
「普通学級」か「養護学校か」?
教育の問題であるように扱われてきたそのことが、
実はまったく違う問題であったのだと思うようになりました。
この問題の特徴は「ずらし」でした。
① 一つ目の「ずらし」。
「普通学級」か「養護学校」かと、
「選択」の問題にすり替えたことです。
他の子と「分けていい子ども」かどうか。
なぜ、そんな「選択」から始めるのか。
子どもたちがふつうにいる場所、
ふつうに学び始める場所から「分けるかどうか」、
なぜ、その選択から始めるのか。
どうして、最初から「両方」でないのか。
一人一人に必要な配慮をすればいいだけの問題ではないのか。
それをただの一度も試しもせずに、
なぜ最初からその「両方」という可能性から始まらなかったのか。
100年以上前に「分ける」ところから始まった差別と不幸を、
なぜひきついだまま、分ける充実を進めたのか。
これが、ひとつめのずらしの問題です。
この問題は、選択の問題ではなかったのですから。
☆ ☆ ☆
1979年。
養護学校が義務化されました。
「義務化されました。」と書くのは、
「事実」を書いているようでいて、
大事なことが抜けています。
驚くべきは、それまで「義務化」
されていなかったことの方です。
それまでは、障害のあるふつうの子どもたちは、
教育の「対象外」とされ、放っておかれたのです。
学校から、国から、地域から、
見捨てられ忘れられていた子どもたちに対して、
それまでの差別を謝罪し、
それまでの過ちを悔い改めるのであれば、
まず一緒に教育し始めるべきだったのです。
なぜなら、それまで一度も、
そういう教育を試したことがなかったのですから。
何も試さずに、「分ける方がいい」と決めてきたことが、
明らかに間違いだったのです。
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