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山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

二足遅れ⁉︎ 雨の白駒池で恐怖の一夜、特別編

2018年11月07日 05時33分26秒 | 八ヶ岳

山行前夜の寝不足と、
テン泊荷物を背負って下から登ってきた事での疲れ、
加えて お兄ちゃんとの一年ぶりのテン泊で
ついついお酒が進んでしまったのも相まって、
外は結構な本降りになってきたにも関わらず
シェラフに潜り込むと
たちまちのうちに眠りに落ちた 隊長なのでした‥‥‥



どれくらい寝たんだろう、
気がつくと 雨が止んでいました。
確か 7時前には横になっていたはずだから
この熟睡感だと 11時過ぎぐらいかなぁ‥

雨こそ止んだみたいだけど、
さすがに星までは出ていないんだろうなぁ‥
気になるから ちょこっと外に顔を出してみるか?

でも ヌクヌクと温かいシェラフから 今 抜け出すのは
ちょっと躊躇するなぁ‥‥
なんて、真っ暗な中でぼんやり考えている時でした‥‥



ひたッ‥‥‥、ひたッ‥‥‥‥、ひたッ‥‥‥‥、

ん⁈ なんの音だ⁈

ザッ‥‥‥、スザッ‥ポキ‥‥‥‥‥、スザッ‥‥‥‥

どうも 下の池の方からテントに近づいて来る
誰かの足音のようです。
時折 落ちている小枝を 踏み折る音も混じります。
その足音のテンポは 明らかに二足歩行なので、
🦌鹿とかの 動物では無い事、
しかも その気配からは
足音を忍ばせて歩いているのが伺われます。



こんな真夜中に いったい誰だろう⁈

ザッ‥ ポキ‥‥‥‥‥‥、ザッ‥‥‥‥、ザッ‥‥‥‥

隣のテントの “お兄ちゃん”かなぁ⁉︎
俺よりちょっと早く目が覚めて
青苔荘のトイレか、それとも 星を見に
空の開けた池のほとり辺りまで 行ってきたのかなぁ⁈

スザッ‥‥‥‥、ヒタッ‥‥‥‥、スザッ‥ポキ‥‥‥‥‥‥‥

足音は すぐに 我々のテントの傍らまでやって来ました。
と、今度は テントの周りを うらうらと‥‥



ん⁈
なんですぐテントに入らないんだろう

しかも、二つ並んだテントの内、
隊長の方のテントの周りだけを
ウロウロと 歩きまわります‥‥

“お兄ちゃん”、いったい何してるんだ⁈



その時 さっきから感じていた ある違和感に気付きました。
そう、灯など一つとて無い漆黒の森の中で
その“何者か”は さっきから
何の灯も点けずに歩いているんです‼︎



山の中でキャンプをした経験がある人ならわかるはず、
どんなに弱々しいヘッドランプでも
点けてさえいれば、この漆黒の闇の中、
直接 照らされなくても 薄いテント越しに光点が動くのは
容易にわかるのに‥‥‥

ここの幕営地は、周りを山と森に囲われているんで
たとえ月が出ていても 山と深い枝葉に遮られて
ほとんど 夜目は効きません、
本当に真っ暗な森なんです。



なので、夜目の効く動物ならともかく、
ここを
懐中電灯や ヘッドランプ無しで “人様”が歩くのは 絶対に無理。
おまけに
テントの周りには、
テントを張って固定させる為の 細引きドローコードが 何本も張られていて
そんな事十分に承知している自分でさえ 寝る前に足を引っ掛けたほど‥‥‥

今 テントの周りをうろつく“何者”かは
一度も暗闇の中でドローコードに足を引っ掛けたり、足をとられる事なく、
先程と同じペースで歩き回っています‥‥

いったい こいつは何者なんだ⁉︎
もしや、テント場荒らし⛺️か⁈


さすがに薄気味悪く感じ出した 隊長、
モゾモゾとテントの中で動いたり、わざと物音を立てたりと
そいつに 目が覚めている事を さり気なく気取らせようとしますが
“何者か”は 全く動じません‥‥

気味悪さが 更に強まります。
と、
次の刹那、
そいつは テント越しに
横たわって寝ている自分の顔を覗き込んでくるではありませんか‼️
( 気配で 解ります‼️ )
ギョェーーーッ‼️


もし そいつが何かの動物なら、
息づかいや その獣臭さで、
自ずと正体が知れるはずですが
「奴」は こちらの詮索になど一切 構わず
ほとんど 覆いかぶさるように覗き込んできます‼︎

直感が訴えます!
やばい‼️
「奴」は テントの中にいる 俺が
怯え、硬直しているのを、明らかに知っていやがる‼️



真夜中の テント場で⛺️
月も星も見えない真っ暗な中を、
灯もヘッデンも点けずに
わざわざ キャンプ場の外れに張った 他人のテントまでやって来て
テントの中で寝ている人の顔を
外から覆いかぶさるように覗き込む 、人⁈
人なのか⁈
ほんとに、人なのか⁉︎
ソレって ‥‥‥



ギョエ〜〜〜〜〜ッ



プルルルルるるるるるる、
プルルルルるるるるるる、
プルルルルるるるるるる、

まさにその時、
毎日、就寝前に歯を磨いて寝るのを忘れがちな隊長が
自ら12時ジャストに鳴るようにセットしていた
携帯のアラームが鳴ったんです‼️


静まりきった真夜中のテント場です。
マズイ、大顰蹙ものです!
手探りでテントの中を バタバタとあちこちと探り
ようやく消し止めますが、
そんな騒動の最中に どこかホッとしている自分‥‥‥

そう、正体不明の奴に見すくめられ
蛇に飲み込まれる前の 🐸カエルの様に 凍りついていた自分を
アラーム音がこっちの世界に連れ戻してくれたから‥‥‥





張り詰めていた緊張感に包まれていた このテント周りの空気が
どこがどうとは言えないんだけど
今の騒ぎで どこか弛んだ気がします‥‥


ん⁈

しーっ‥‥‥‥

耳に引っかかるかの様な ザラザラとしたあの足音は
もう 聞こえなくなっていました‥‥‥

行った⁈


行った‥‥‥

しばし 放心‥‥‥

一体全体 あれは何だったんだろう‥‥‥

暗いテントの中で
少し冷静に戻り、一つ一つ その正体について 論理的検証を行ってみます

ん⁈ 睡魔がやって来ました‥‥‥‥




いつしか、 ゴウゴウと
山の稜線で風が吹き荒れる音を夢枕の中で聞きながら
深い眠りに落ちていきました‥‥‥、




           





次に⌚️腕時計を見たのが、四時。

吹き荒れていた風もおさまっています。

静寂の中で、真っ暗なテントの中を凝視します。

寝入る前の、あの恐怖は まだリアルです。

やだなぁ、
夢だったんじゃない、ん?
そうだよ、多分寝ぼけてたんだ…



と、

ヒタッ‥‥‥‥、ヒタッ‥‥‥‥、スザッ‥ポキ‥‥‥‥‥‥‥

え⁉︎

シザッ‥‥‥‥、ザッ‥‥‥‥、ザザッ‥ポキ‥‥‥‥‥‥‥

また⁉︎

ザザッ‥‥‥‥、ヒタ‥‥‥‥、ザザッ‥ポキ‥‥‥‥‥‥‥



来たーっ!!


今度こそ その正体を見極めてやろうと
気持ちはだけは はやるのに 体がついて行かず
テントのチャックを開けてまで と 逡巡する内に
10分ほどの間は 歩き回っていたでしょうか、
やがて そいつは
また 闇の中へ、去っていきました‥‥‥‥





そのまま まんじりともせずに
テントの中で 横になったまま 朝を待ちます。
空が白んで来た頃、また小雨が降り出しましたが
直ぐに弱まり、
隣のテントで “お兄ちゃん”が動き出したのが解りました。

ガバッと起き上がり、
テントから顔を出して、おはようの挨拶ももどかしく尋ねます
「 お兄ちゃん、夜中に、テントから外に出た?」
「へ⁈ うううん、出てないよ」
「じゃあ、何か、足音、聞かなかった⁈ 」
「夜中にアラームが鳴ったでしょ、それまでは熟睡してたから、聞いてないよ」
あ、でも、明け方前に、誰かが テントの周りを歩いていたよね⁈
え⁈ あれって、隊長じゃなかったの⁈ 」

やっぱり、隊長の幻聴じゃなかった‥‥‥




そう、夜の森の中には
やっぱり いるんです。
僕らには普段 見えていなくても。
心にポッカリと 穴が開いた瞬間を狙って
奴らは そこかしこから、忍び寄って来るんです。
そんな時、
決して闇に眼を凝らしては、いけません‼️
闇の中の 何かと目が合った瞬間
あなたは 奴らの世界に引き込まれてしまうのです。
あいつは あなたを同じ世界に引き込もうと
今宵も 森の中をさまよっているはずです‥‥‥‥


信じるか信じないかは、あなた次第‥‥‥‥‥



イッヒッヒッひッひっひっひっひ〜





ご精読ありがとうございます。
後編に続きます。

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