前日の、爺ヶ岳までの道のりは、山頂直下での“雷さま”との思わぬ出会いで
とても心癒されるものとなりました。
『冷池山荘』に、登り返しに ひいひい言いながらたどり着いたのが、12時過ぎ。
当初考えていた予定では、明日は鹿島槍ヶ岳をピストンし、「扇沢出合」まで都合9時間弱の下りです。
帰りのバスと、温泉 を考えると、ほんとは少しでも今日の内に時間(距離)を稼いでおきたいところ。
もっともピストンなので、結局 この山小屋に戻らなくてはならないし、
選択肢は、今日の内に鹿島槍ヶ岳を登ってきてしまうか、諦めて 体力温存、
明日に賭けるか の二つに一つ。
ルートガイドによると 鹿島槍ヶ岳 まで往復4時間弱。う~ん、無理すれば行けない時間・距離でもないしなぁ…
ひとしきり悩みつつ、まぁ、いけるとこまで行ってみて考えよう、ということで
冷池山荘に重い荷物は置いて、身軽になって小一時間ほど先へ進んでみましたが、霧がだんだん濃くなりだし
気付けば雨の気配もしだし、ここはポジティブに撤退、明日に期待し山小屋へ。
そうと決まったら、5時からの夕食には まだ時間があります。
そうそう、こういう時こそ、重い思いをして持ち上げたワインの出番。
warazaemon の秘密兵器、『プラティ ブリザーブ』だよん、へへっ 山にワインを持ってくるのに重宝してます。
山小屋で買った缶ビールに 持参した御つまみ、持参したワインで ミニ宴会スタートです。
お酒も、お楽しみの夕食も済んでしまうと、もう後は寝るだけです。
心地よい疲れと、酔いと、満腹感で、7時には完全に眠りにおちました。( この後、9時間熟睡 )
翌朝4時過ぎ、明るくなりだした部屋の窓越しの、きれいなご来光が、今日の山行をお祝いしてくれています
さあ、準備オッケー。今朝も重い荷物は山小屋にデポジットして、出発です。
昨日、歩いた時にはまったく姿の見えなかった『布引山』、そしてその稜線越しの『鹿島槍ヶ岳』。
後立山連峰の盟主にふさわしい、その堂々とした山容が、歩きを進めるごとに姿を現してきます。
その度に、息をのみ、歩みを止め、しばしその眺めに見入ってしまいます。
布引山のピーク越しに、鹿島槍ヶ岳のピークも見えてきました。ぞくぞくします。
振り返ると、昨日歩いてきた、爺ヶ岳からの稜線もくっきりと見えています。う~ん、最高!!
だんだんと迫ってくる、鹿島槍ヶ岳の双耳峰、手前の南峰のピークに、うっすらと人影が見えてきました。
足元には、そこかしこに可憐な高山植物の花々が…
ふと 横を見ると、稜線を登る自分のシルエットが… この後、何と『ブロッケン現象』も見ることができました!!
そして、ついに、ついに登頂です!! 身軽なせいか、予定した登頂時間より だいぶ早く登ってくることが出来ました。
スカイラインがきれいです。遠くには、富山湾も確認できました。
山頂のケルン越しに、雲海から頂をのぞかせているのが、右が『剣岳』!! 左が『立山』!!
う~ん、自分が北アルプスの名だたる名山の中にいることを実感します
ここから北峰を越して、五竜岳方面へ行くルートは、上級者向けの難所のキレットとして有名です。
まだ自分には無理だろうなぁ… そもそも俺、高所恐怖症なんだから
ひとしきり、眺望を堪能し、さあ、今度は長い下りです。稜線を境に、霧が立ち上がってきています。
霧が、稜線の左の谷から湧き上がったり、右の谷から湧き上がったり、一瞬として同じ風景にとどまっていません。
振り返ってみると、冷池山荘が、霧の中から浮かび上がってきていました。
種池山荘まで戻った時、さーっと走り雨がきたものの、いい感じの天気で終始、歩いていけます。
さあ、後はひたすら、長い長い下りを下りるだけ…
雪渓も、昨日以上に鮮やかに見えます。
扇沢出合に戻ってきたのは、2時ちょうど。予定より順調に下りてくることができました。
さぁ、温泉、温泉。
信濃大町へ下る途中にある大町温泉郷にある『大町温泉 薬師の湯』。広くてきれいな、いいお湯でした。
露天風呂も、よかったです
考えたら、この夏に北アルプスへ再び来れるなんて、病気の最中は勿論、入院中も、退院直後でも考えられなかったこと…
神様に、いや それだけじゃなくてお医者様にも、支えてくれた皆に感謝感謝です。ありがとうございます。
ところで、次は どこ行こう…
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