「コロナ五輪」
連日ニュースは「コロナ五輪」のことばかりでうんざりしています
が、ひとつ気になったニュースがありましたので、これもまた「コロ
ナ五輪」関連ですが、朝日新聞デジタルより、
「ウガンダ選手団、PCR検査1人陽性 成田空港で判明」2021/06/20 00:41
要点だけを述べると、 「東京五輪・パラリンピックに出場する東アフリカ・ウガンダの選手団9人が19日夕、成田空港に到着して、このうちの1人が、空港での新型コロナウイルスのPCR検査で陽性だったことがわかった。彼らは全員が出国前にアストラゼネカ社製ワクチンを2回接種、出国96時間以内に2回のPCR検査を受け陰性証明書を持っていた。選手団は19日午後6時すぎ、一般客約80人が降りた後、マスク姿で1列になって到着ゲートに姿を見せた。その後、空港検疫で唾液による抗原検査を受けたが1人は結果が出なかったためPCR検査を受けたところ陽性だとわかった。残りの選手らは20日未明、事前合宿地の大阪府泉佐野市へ夜行の貸し切りバスで移動を始めた。」
さて、ここにはいくつかの問題点があります。まず、アストラゼネ
カ社製ワクチンの有効性の懐疑、そして参加国が発行する陰性証明
書の信頼性、そして何よりも信じ難いのは主催国であるわが国が行
った水際対策である。そもそも「濃厚接触者」の定義は、 ①患者と
同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人、②
患者と1メートル以内の距離で、必要な感染予防策(マスクなど)なし
で15分以上接触があった人(国立感染症研究所「積極的疫学調査実施
要領」より)のことで、ウガンダ選手団は「陽性者」との長時間の
接触(車内・航空機など)があったことは間違いなく、ただ「陽性
者」が「患者」つまり感染者かどうかだけで、だとすれば、濃厚接
触者は2週間隔離して健康観察が求められるはずだが、「残りの選
手らは20日未明、事前合宿地の大阪府泉佐野市へ夜行の貸し切り
バスで移動を始めた。」とある。更に、彼らはチャーター機ではな
く一般客約80人が同乗する民間機で来日している。調べてみれば
ウガンダのエンテべ国際空港から成田空港までの飛行機による移動
時間は優に24時間を超える。当然密室化した機内での長時間の接
触は避けられない。つまり、同乗していた一般客80人も「濃厚接
触者」に違いない。にもかかわらず彼らは2週間の隔離観察を強い
られたという報道は見当たらない。楽観的なオリンピックムードに
引きずられた科学的根拠の乏しい寛容論に委ねることは「あかんや
つ」やろ。もしもそれが忖度を得意とする役人によるオリンピック
関係者への特別な配慮だとすれば、今後大挙して推しかけてくる関
係者による感染再拡大(リバウンド)は避けられないのではないか。
そうなれば、将に東京五輪は競技者同士の闘いだけではなく、蔓延
化するコロナ禍という厳しい条件下での「コロナ五輪」と呼ぶにふ
さわしい大会になるだろう。