「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”の衝撃」
今夜NHK特集で放送された「激変する世界ビジネス“脱炭素革命”
の衝撃」を見て衝撃を受けた。かつて環境立国を標榜していた日本にお
いてシャープはソーラーパネル事業で世界一のシェアを誇る優良企業で
あったが、政府の脱炭素エネルギー政策が原発にシフトしてその地位を
失った。それどころかシャープは破たん寸前まで追い込まれた。一方で
頼みの綱である原発政策も福島原発の事故によって見直しを迫られ、原
発を経営の中心的な事業に据えた東芝もまた経営危機に陥った。わが国
の原発政策はアメリカ政府からの要請だと言われるが、そのアメリカは
トランプ政権の下で地球温暖化対策を定めたパリ協定からの離脱を表明
し、地球温暖化物質の排出規制に抗っている。日本は従米政策の下でク
リーンエネルギーの高い技術力を持ちながらそれを生かせずに新しい時
代の潮流から取り残されようとしている。それどころか、成長著しい開
発国に対して石炭による火力発電所の建設を助成している。そもそもア
メリカは独立以来国家主義の国で、保護主義の下でも充分に賄っていけ
るが、資源のない日本はそういう訳にはいかない。ただアメリカに着い
て行けば上手くいくという時代は終わったのだ。いまや世界は限界に達
した地球環境を改善しようと様々な取り組みを試みているが、そんな中
で日本の環境技術に寄せる世界の期待は小さくはないが、古き良き時代
の夢を忘れられない「古いアメリカ」に追随していては、やがて新しい
技術も錆付いてしまうだろう。成長の限界を迎えた世界の下で、それは
様々な自由が制約を余儀なくされるに違いないが、そうなれば真っ先に
衰退するのは「現代の西ローマ帝国」アメリカに他ならない。COP2
3事務局の担当者の「いつまで古いやり方に拘っているんだ」という趣
旨の発言が頭に残った。
(おわり)