「あほリズム」
(451)
「今や世界は飽和の臨界点に達しようとしている」
「じゃあ、どうすればいいのですか?」
「手っ取り早いのは戦争して人を減らすことだ」
「そんなこと出来る訳ないじゃないですか」
「いや、すでに我々は戦争で大勢の人が死んだというニュース
を耳にしてもさして気にもしないし、それどこか、他人の不幸
にある種のカタルシスさえ覚えるではないか」
「確かに、よその国の不幸に無関心になっているかもしれいけ
れど・・・」
「例えば、満員電車が駅に着く度にさらに乗客が乗り込んでく
る鬱陶しさよりも、次々に降りて行ってくれる解放感の方があ
りがたいだろ」
「そんな卑近な例と一緒にするなよ」
「バカ、高尚な理念なんかよりも卑近な現実の方が切実なんだよ」
(452)
世界は選択を迫られている。そして、選択は常に正しい方を
選ぶとは限らない。しかし、選択が我々に委ねられている限
り再び選び直すことはできる。(国家主義の台頭に思うこと)
(453)
つまり、誤った選択でさえ、正しい選択肢の確立を高めてく
れる。もちろん誤りに気付いての上での話だが。