「あほリズム」 (454)

2018-11-19 07:48:56 | アフォリズム(箴言)ではありません

           「あほリズム」

 

            (454)

 芸術は、ニーチェの精神に即して芸術家の側からとらえると、創

作活動であり、これは美に関係づけられている。これに対応して、

認識の関係対象は真理である。したがって、今問題になっている芸

術と真理との――驚愕をひき起こす――関係は、芸術と科学的認識

との関係、ないしは美と真理との関係としてとらえられなくてはな

らない。(ハイデッガー「ニーチェⅠ」)

 

             (455)

 

 「世界は生成であり、力への意志である」とすれば、我々が「信

じる」科学文明でさえも、永遠不変の盤石な真理の上に構築されて

いるわけではない、つまり近代科学文明社会は決して永遠不変では

ない。

 

             (456)

 

 それは、かつて神の名の下に「真なる世界」を創造し、神の世界

を信じて疑わなかった人々が、科学技術の福音を耳にして真理が疑

われ始めるとたちまち信仰に躓いたように、いずれ「科学的認識」

もまた見捨てられる日が来るに違いない。