「あほリズム」
(459)
(457)再掲載
芸術と真理との関係は、芸術と科学的認識との関係、ないしは
美と真理との関係としてとらえられなくてはならない。
(ハイデッガー「ニーチェⅠ」)
では、「真理とは幻想なり」(ニーチェ)だとすれば、
「科学的認識もまた幻想なり」ということになる。
では「科学的認識とは幻想なり」とはどういうことなのか?
我々はまさに科学的認識を基にして近代科学文明社会を築いて
来たし、これからも科学的認識は我々の思考の根幹であり、そ
れに代わる方法があるとは思えない。では「科学的認識は幻想
なり」とすれば、つまり生成としての世界にとって科学文明と
は何れ消滅する徒花に過ぎないのか?「芸術と真理の離間」と
は「生成と科学の離間」に他ならない。