令和3年6月5日(土)
芒 種
二十四節気の一つ。
太陽の黄経が七十五度に達した時で、小満の後十五日目
陽暦では6月6日頃(今年は6月5日)にあたる。
稲、麦などの芒(しのぎ)のある穀物を播種する時期を
指す。 田植えもこの頃から始まり、農家もこの頃から
何かと忙しくなる。 最近では種蒔きは5月初旬頃に、
田植えも同様に早くなっているようだ。
芒(しのぎ)というのは、イネ科の植物の米、麦等の花
の外側に付いている針の様な突起物のことをいう。
種 籾
球果の種子の部分を覆う包麟から、突起が出ている。
俳人の夏井いつきさんの著書:絶滅寸前季語辞典の中に、
「芒種」についての記述が在るので紹介したい。
芒 種
この季語を初めて教えて下さったのは、俳人の山口都茂
女さんだった。ともに囲んだ句座で、都茂女さんがこの
題を出された。彼女の低くて深い「ぼうしゅ」という声
の響きが、体の奥にしみわたっていくような心地がした。
この未知の季語を歳時記で調べているうちに「芒種」と
いう季語の低温だが体の芯に及んでくるような熱気を体
感し始めていたこの感覚を、どんなふうに詠めばいいの
かと、己の体と交信を始めている自分がいた。
うまく言葉として結晶しないもどかしさを感じながらも
その季語の世界に自ら沈んでゆく快感にひたっていた。
(俳人、夏井いつきさんの著書:絶滅寸前季語辞典より
引用した。)
今日の1句(俳人の名句)
こんこんと芒種の水を呑み干せり 夏井 いつき