令和3年6月11日(金)
ヤブレガサ:カラカサグサ
今日(6月11日)は、傘の日だそうです。
1989年(平成元年)に日本洋傘新興協議会が制定した。
この頃、二十四節気の雑節に「入梅」があり(6月11日)
雨の多いこの日を「傘の日」としたようである。
江戸の後期(1804年)長崎に入港した唐船の積載品に
「黄どんす傘」の記載があり、これが日本への最初の洋傘
といわれている。
世界では既に4000年も前に使用されていたようだが、
雨傘としての使用は13世紀のギリシャで、傘を雨具とし
て使用した。雨天に女性が帽子の代りに傘を使った様だ。
ヤブレガサ : カラカサグサ
ヤブレガサという変わった名の山菜がある。
山地の薄暗い林下に生えるキク科の多年草で、本州から
四国、九州にかけた山地に自生する。高さ60cm~
1m程。大暑性、耐寒性ともに強い。
夏、茎先に花径1cm程の小さな白い花を円錐花序に
つける。(開花期は7~9月)
若葉の頃は傘を半開きにしたような姿だが、成長するに
従い葉が深く切れ込み、破れた傘のように見える所から
この名(ヤブレガサ)といわれる。
花そのものよりも、この葉の形が面白く人気が在る。
若いうちは根出葉一枚のみで花茎がない。やがて(1年
程)花径がたつ。茎は直立し分岐せず、茎葉は2~3枚
が互生し、下方の葉は長い葉柄を持ち50cm程となり
7~9枚に裂片(掌状に裂ける)、茎の先に花を付ける。
長さ10mm程の筒状の小花の花冠は5裂し、花柱の先
二つに分かれ反り返る。
ヤブレガサは、春に芽が開き始めた新芽を摘んで食する。
天婦羅にする場合は、そのままから揚げにする。
お浸し、和え物(ゴマ、クルミ、カラシ等)の場合は、
水に晒し、沸騰した湯でサッと茹で、冷水で冷ます。
私は、全く知らなかったが、いつも山菜を届けてくれる
隣人から教えて貰い、その名と山菜であるとのことに
驚き、歳時記を繙いた。
今日の1句(俳人の名句)
破れ傘見事に破れをりにけり 西村 数