令和3年6月26日(土)
扇 子 : 扇(あふぎ)
夏の暑い日に、手で煽いで風を作り涼しさを呼ぶための道具
団扇は中国から伝わって来たが、扇は平安朝以前に日本で考
案された珍しい国産品である。
素材も香木・絹・和紙等、様々である。
ほんの飾りに過ぎない扇もあれば、儀式や舞踊に使われる、
大きな扇もある。
末広がりに開くので、目出度い席に使われる事が多い。
冷房が完備している現代社会では、実用というよりもファッ
ションの一つとして派手な衣装を施した扇子も流行していて、
海外でも人気が出始めている。(外国人の日本土産の定番)
白 扇
絵 扇
白扇は、白地の物、絵扇は絵の描かれた雅趣あるもの、古扇
は使い古した昨年以前のもの、、、
現在、扇の生産は京都が中心であるが、
戦後、私の実家(名古屋市西区)辺りには扇子を生業にする
家が多く在った。
竹細工をする「じゃっ、じゃっ」という様な音、扇子の骨
組みが軒先や家の中まで並んでいる光景が目に浮かぶ。
カミさんの実家も昔は扇子屋を営んで居たと聞いた事が在る。
今でもこの西区周辺にはその名残が在り、菊井町に在る「末廣
堂」は、名古屋扇子の老舗である。
名古屋扇子は、宝暦年間(1751~64年)に、京都から
現在の西区巾下町辺りに始まったとされる。京都扇子の伝統
を名古屋に引継ぎ、末廣堂が大正元年に創業した。
今では、殆ど扇子を使わないが、未だ冷房が余り普及してい
なかった頃、映画館や劇場等では扇子を使う姿が多く在った。
家の中を探すと、私のものも見つかった。
今日の1句
訪ひの扇の風の柔らかし ヤギ爺