令和3年12月13日(月)
海老芋 : 蝦 芋
サトイモ属ヤマサトイモの変種で、里芋の一種。
親芋の発達した筍芋や八頭に比べ、親芋と子芋を食べるのが
赤芽とこの海老芋である。
土寄せ等の独特の栽培を施して、形状は湾曲し皮の表面には
横縞があり、これが海老の様であることからこの名が在る。
この芋の収穫期は12月から翌年の2月頃が旬となる。
頭が太く根元が細く曲り海老に似て、肉質はねっとりとして
白く柔らかく甘味がある。
京都市東寺付近の特産の里芋の一種で、京野菜として知られ
る根菜だが、大阪府の富田林市、兵庫県の姫路市や徳島県、
高知県等でも栽培されている。
昭和の始め(昭和2年)に静岡県の磐田市、天竜川東岸でも
栽培が始められ、今では日本一の収穫量を誇る産地となった。
最近では高齢化が進み、その生産量が減産している。
京都の丸山公園内に、今日の名物料理の「いもぼう平野本家」
が在る。
以前、丸山公園の枝垂れ桜を見に出かけた折り、直ぐ傍に在
る老舗の小料理屋の前に10人程が並んでいた。
昼食時、そそられる様に列の後に、、、、、。
「いもぼう」はこの時初めて口にした食べ物。
海老芋と乾した鱈を煮込んだもので、素朴ながら深い味わい、
柔らかくねっとりとした芋と鱈のハーモニーは絶妙で、ゆっく
りと堪能した。
「いもぼう」は京野菜の海老芋と北海道産の棒鱈を焚き合わせ
た料理で、海老芋と一週間余りかけて柔らかくした棒鱈を丸一
昼夜かけて焚き上げる。
棒鱈の膠質(にかわしつ)が海老芋の煮崩れを防ぎ、海老芋の
灰汁が棒鱈を柔らかくするといわれる。
その後、何度も京都を訪れる際には必ず立寄る様になった。
今日の1句
遥遥と海老芋の椀求め来る ヤギ爺
※ 遥遥、はろばろ、時間や距離が離れた様