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遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

藪柑子

2021-12-19 16:48:18 | 日記

令和3年12月19日(日)

藪柑子 : 深見草

山林の湿地などに自生するヤブコウジ科の常緑小低木。

地下茎を伸ばして繫殖し、茎は直立して殆ど枝別れせず

高さは10~20cm。

光沢のある厚みのある長楕円形の葉は互生し、茎の

上部に1,2層の輪生状に付く。

夏に、茎の間に白い小さな花を付ける。

冬、光沢のある葉の間から真っ赤に熟した丸い実が覗く。

観賞用として庭や盆栽、鉢植え等として育てられる。

藪柑子は慶事や縁起物として用いられ、特に新年の飾り

には、「仙寥」(千両)や万両と伴に無くてはならない

ものである。

また、冬季の花材としても多くに重用されている。

古来から、赤い実を付けた植物は縁起物としてお正月飾

りに使用され、万両、千両、百両、拾両等と言われる。

万両は葉の下側に実を付け、鳥に実を食べられないので

多く実が在る。高さ1m位でクササンゴという。

千両は葉の上に実が付き、鳥に食べられ易い。温暖な

地域に多く分布する。高さ50cm、クササンゴという。

百両は、江戸時代たちばな」といわれとても高価な物と

して「百料金」と呼ばれた。1m、カラタチバナという。

十両は古くはヤマタチバナといわれ、近代にヤブコウジ

と呼ばれるようになった。

一両は、腋に長く鋭い棘があるが手軽(安価)に正月用

として用いられた。アリドオシ(有り通し)と言われた。

千両、万両のお金持ちでもこの有り通しがないとどうにも

ならぬと「千両、万両,有り通し」と囃されたようである。

 

寒さが厳しい今朝、散策に出掛ける。(気温は8℃)

先日、落語会が催された寺の前を通り、何気なく境内を

覗いて見ると、日陰の片隅に小さな赤い実を付けた植木

を見つけた。藪柑子で、ひっそりと日陰がよく似合う。

 

今日の1句

檀家寺訪ふ人なく藪柑子   ヤギ爺