令和4年3月28日(月)
陽 炎 : 野 馬、遊 糸
春の日、強い日差しのために空気の密度の分布に異状が起
こり、ゆらゆらと物の形が揺らいで見える現象をいう。
この陽炎が盛んな時には炎のように燃えてみえる。
春に多く見られる現象で、強い太陽光線により地面が熱せ
られ、地表付近の空気の温度が高まり塊るように上昇する。
その後に温度の低い空気が入り込み、空気の層が乱れる。
温度により空気の濃度が異なると、浮遊する光の屈折率が
変化し、これにより温度の一定しない気層を通して見える
物が揺らいで見える。これが陽炎(かげろう)という。
何だか難しいが、こういった現象は夏の海辺などでもよく
見られるが、うららかな気分にさせる春に相応しいという
事で春の季語となったようです。
副題に、「野馬」(やばという)、「遊糸」をかげろうと
いう。 由来はよく判らないが中国の壮子などにも使用さ
れ「かげろう」の意味で使われている。
日本では、中国からの伝えにより、以前には「野馬」を
かげろうとして詠まれている。
春のうららかな日に、野原などにちらちら立ち上る空気、
熱っせられた空気の光が不規則に屈折されて、揺らいで
いる。
はかないものや、仄かなもの、あるかないかの様に見え
る様子を、形容することにも「かげろう」は用いられる
言葉である。
亦、焚火などの炎の上、夏のアスファルト、航空機の
排気による熱にもこの「ゆらぎ」は見られるが、陽炎は
やはり春の季節が似合うようである、、、、。
今日の1句(俳人の名句)
かげろふと字にかくやうにかげろへる 冨安風声