F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

ROUND 11 HUNGARIAN GP

2014年07月31日 22時19分20秒 | Weblog
1位 D.リチャルド レッドブル・ルノー
2位 F.アロンソ フェラーリ
3位 L.ハミルトン メルセデスAMG
4位 N.ロズベルグ メルセデスAMG
5位 F.マッサ ウイリアムズ・メルセデス
6位 K.ライコネン フェラーリ
7位 S.ベッテル レッドブル・ルノー
8位 V.ボッタス ウイリアムズ・メルセデス
9位 J.ベルニュ トロロッソ・ルノー
10位 J.バトン マクラーレン・メルセデス

 7月17日にオランダのスキポール空港を発ったマレーシア航空の旅客機がウクライナで墜落しました。親ロシア派が同航空機を軍用機と見間違え誤って地対空ミサイルによって撃ち落とされとされています。3月のマレーシア航空機消息不明に次ぐ悲劇に哀悼の意を表せざるを得ません。ウクライナは現在内戦状態にある訳ですが、2013年11月にヤヌコビッチ政権が欧州連合との調印を見送ったことに端を発します。これに反発した野党勢力の暴力的示威行為に対して、これを制圧しようと治安部隊と衝突。多数の死傷者を出す事態となりました。最高議会はヤヌコビッチ大統領の解任を決議。結果、ヤヌコビッチ氏がロシアに亡命する事態に至っています。親ロシア派のヤヌコビッチ政権が崩壊させられたことを受けて、ロシアのプーチン大統領はクリミアへの軍事介入を承認。クリミアを無理矢理独立させますが、国際社会からはその独立は承認されていません。以降、ロシアから武器供与を受けた親ロシア派とウクライナ政権との小競り合いが続きその結果、マレーシア航空機撃墜の悲劇へとつながった訳です。なぜ、ロシアがクリミアに目をつけたかというと地政学上重要な意味を持っているからです。ここは黒海に面する要衝の地であり、北方艦隊の基地をつくるにはうってつけの場所なのです。ロシアに面している海というのは殆どが北極海。黒海に港を持つことができれば、ロシアにとっておいしいのは一目瞭然ですね。そして、ロシアがここまでウクライナに関与してくる理由というのは、欧州連合に加入させたくないからです。ウクライナはかつては共産主義国であり長らく東側の一員であるとロシアは、そう思っていました。それが、急遽欧州連合加盟の動きが強まり、ロシアとしては焦った訳ですね。それが、クリミアの独立へとつながる訳です。さすがにソチ五輪開催中に軍隊を動かすという暴挙は起こしませんでしたが(五輪期間中いかなる戦争・紛争も停止するという協定があります)、国際社会からの非難は免れません。そして、その余波は我がF1界にも及んでいます。今年の10月にソチでロシア初のGPが開催される予定なのですが、このままではボイコットされる公算が高いというのです。これはロシアがウクライナに関与したことが原因です。構図としては1980年のモスクワ五輪を、ソ連(当時)のアフガニスタン侵攻に反発した西側諸国がボイコットしたのと全く同じですね(ちなみに1984年のロサンゼルス五輪には東側諸国がこぞってボイコットしています)。本来スポーツは政治動向に左右されるべきではないのですが、現在のウクライナ情勢をみる限り、残念な結果になりそうな予感がしてなりません。さて、ハンガリーGPです。スターティンググリッドはロズベルグ、ベッテル、ボッタス、リチャルドの順。ボッタスはこの位置が指定席になりつつありますね。そして、レッドブルの2台も上位に並んでいます。さて、ハミルトンですが、予選開始直後にマシンから出火するというトラブルに見舞われました。原因は燃料漏れ。マシンは全損状態となり、パルクフェルメ規定を破りスペアのモノコックを使って1からマシンを組み直すという力技に出ています。その甲斐あってハミルトンは無事に出走することが可能になりました。後方に沈んだライバルを横目にロズベルグは「しめしめ」といったところでしょうが、別クラス混走の様相を呈している現在のF1。後方に沈んだからといって楽観視は(以下略)………としたいところですが、ここはオーバーテイクが困難なオンガロリンク。今回ばかりはハミルトン、キツいんじゃぁないですかね?スタート直前に雨が降りますが、序盤でのタイヤ交換のタイミングが勝負を分けることになります。スタートではロズベルグがポジションをキープ、2番手にボッタスが浮上しています。レース序盤エリクソンのクラッシュによりセーフティーカー出動。ここで上位4位までのマシンが、ピットインのタイミングを1周遅らせてしまい、下位に沈むことになります。先頭を走っていたロズベルグ、4位に順位を落としました。その後、ペレスのクラッシュで再びセーフティーカー出動です。再スタート後にロズベルグ、3番手まで復帰しますが2番手のベルニュに抑えられていたのが影響して、ピットストップ後ハミルトンの先行を許してしまいます。終盤、レースはアロンソ、ハミルトン、リチャルド、ロズベルグのオーダーで進みます。先頭のアロンソですが、2回ストップでタイヤを限界まで引っ張る作戦なのでもう、ソフトタイヤがもうヤバい状態です。しかし、後ろを走るハミルトンを巧みなブロックで抑え込みます。何度もいう様ですが、シューマッハを打ち負かしたイモラでのバトルを彷彿とさせますね。そして、虎視眈々と後ろから様子を窺っていたリチャルドが動きます。フレッシュなタイヤを履くリチャルドがハミルトンをオーバーテイク!勢いづいたリチャルド、今度はアロンソもあっさりオーバーテイクしてしまいました。あれっ、これってデジャヴ?カナダGPと何となく同じパターンですね!見事な判断力で先頭に躍り出たリチャルド、そのままフィニッシュ。カナダGPに次ぐ自身のキャリア2勝目となりました。さて、このレースのキモとなったのは間違い無く最初のセーフティーカーでしょう。上位4台のマシンは出動時、最終コーナーを立ち上がっていた為、ピットインすることが出来ず、順位を落とす羽目になっています。ロズベルグ、ボッタス、ベッテル、アロンソですね。2位を走っていたボッタスはまさかの8位に転落。3戦連続で表彰台だったのに、まさかこんな展開になるとは夢にも思っていなかったでしょう。ベッテルも被害者の一人。予選2番手で「今回こそワイが勝ちまっせー!」と息巻いていたにもかかわらず、まさかのセーフティーカー出動、その後のスティントではスピン。7位に沈んでいます。チームメイトにも優勝をかっさらわれるなど、全くいいとこありませんでした。しかし、一番悲惨だったのはロズベルグじゃないでしょうか。ポールポジションスタートにもかかわらず、ピットスタートのハミルトンにまさかの敗北。チームオーダーは無視されるは、露骨な幅寄せでコースアウトさせられるわで踏んだり蹴ったりのレース内容です。今回の幅寄せには、さすがに温和なロズベルグもカチンときた様で怒りを表すコメントをしています。チーム首脳が、チームオーダーを無視したハミルトンを擁護するなど、チーム内は不協和音に包まれていますね。結果を出せば命令無視もOK?それでは、大本営の意向を無視して勝手に戦線拡大した関東軍みたいになっちゃいますヨ!ここはアレだな、ビッとした態度で臨んでだな、ビッと。まあ、ハミルトンの心情としては譲れない気持ちもあったのでしょうが、せめて首脳の意見ぐらいは1本化していないとまずいんじゃないでしょうか。ただでさえロズベルグとハミルトンの対立が表面化してヤバい状態なのですから、このままではチーム内部が崩壊しちゃいますよ?