F1の小部屋 NEO

F1のリザルトについてあれやこれや好き勝手にコメントしてみようと思います。レース終了後1週間以内に更新(目標)。

2022 ROUND 22 ABU DHABI GP

2022年11月27日 05時30分08秒 | Weblog
1位 M.フェルスタッペン レッドブル
2位 C.ルクレール フェラーリ
3位 S.ペレス レッドブル
4位 C.サインツ フェラーリ
5位 G.ラッセル メルセデスAMG
6位 L.ノリス マクラーレン・メルセデス
7位 E.オコン アルピーヌ・ルノー
8位 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス
9位 D.リチャルド マクラーレン・メルセデス
10位 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス

 アブダビGPです。最終戦です。スターティンググリッドですが、ポールはフェルスタッペン。以下、ペレス、ルクレール、サインツ、ハミルトン、ラッセル、ノリス、オコン、ベッテル、アロンソと続きます。レッドブル、フェラーリ、メルセデスが順に綺麗に並んでおります。チャンピオンのフェルスタッペン、有終の美を飾ることが出来るでしょうか?スタートはフェルスタッペンがホールショット。ペレスがイン側に並びかけますが、抜くには至りません。軽いジャブといったところでしょうか。後方ではサインツがラッセルを牽制している隙にハミルトンに前に出られます。更に、進路を塞がれたラッセルはノリスにアウト側から前に出られます。ターン6でサインツがハミルトンをオーバーテイク。アウト側に押し出される格好になったハミルトンは縁石に乗って大きくジャンプ。特に大きなタイムロスは無く、そのまま走行を続けます。5周目、マリーナ裏のストレートでサインツの後ろに付いたハミルトン。スリップに入ってアウト側からサインツをオーバーテイク。4番手にジャンプアップです。しかし悲しいかなハミルトン、この後8周目にサインツに抜き返されることになります。9周目、マリーナ裏のストレートでラッセルがハミルトンをオーバーテイク。チーム内でのポジションが入れ替わります。16周目、タイヤ交換を終えたラッセルがピットからマシンを発進させます。しかし、そこにタイミング悪くノリスでしょうか。マクラーレンのピットに向かってレーンを走ってきました。ラッセルは車を発進させましたが、ピットの走行レーンの内側までしかマシンを寄せなかった為、ノリスとの接触は何とか避けられました。ノリスは減速してラッセルが通り過ぎるのを待ってから、マクラーレンのピットに向かいます。尚、ラッセルはアンセーフ・リリースのペナルティとしてレースタイムに5秒加算されております。45周目、ペレスがターン6でイン側からハミルトンをオーバーテイク。しかし、ハミルトンも諦めません。マリーナ裏のストレートでペレスのスリップに入りターン9でアウト側から抜き返し、ポジションを取り戻します。その後、ハミルトンの奮闘も空しく、ペレスに抜き返されることになるのですが。55周目、目に見えてペースの落ちていくハミルトン。油圧トラブルによりリタイアです。そして、レースの方はフェルスタッペンが余裕のトップチェッカー。今シーズンダメ押しの15勝目です。この記録はそう簡単に破られることはないでしょう。2位はルクレール。タイヤ戦略でペレスを逆転。シリーズランキングでも2位を確定させました。最後の最後に一矢報いたというところでしょうか。3位はペレス。タイヤ戦略でルクレールの後塵を拝することになった訳ですが、ペレスの右フロントタイヤが早めに傷むことがなければ結果は変わっていたかもしれません。結果、ピットインしてタイヤを交換する必要が出ることになりました。とはいえ、ルクレールの方もアンダーカットを狙っていたので実際どうなっていたかは判らないというのが実際のところです。22戦開催と長かった今シーズン。最終戦は、シーズンを圧倒的な速さで制したフェルスタッペンが有終の美を飾る形で幕を閉じました。ところで余談になりますが、サッカーW杯で日本がドイツに勝利しました。格上のドイツに勝利したということは間違いなく大金星でしょう。おそらく、高校野球で取手二高が優勝候補のPL学園に勝つのと同じぐらい難しいんじゃないですか?(判りずらい例えですいません。汗)(※1)でもまあ、冷静に考えると日本代表には欧州で活躍している選手もいることですし、やっとそれらの選手の力が上手くかみ合わさったという感じがします。目標をベスト8とか小さいことを言わずに全部の試合に勝つつもりで戦って欲しいところです。森保監督が「勝って兜の緒を締めよ」を地で行くかの如く冷静な立ち居振る舞いなのが頼もしいですね。日本代表には浮かれることなく、これからも素晴らしい試合を期待しています。さて、今シーズンの総括とまいります。まずはフェルスタッペン。シーズン15勝という圧倒的な強さでシーズンを席捲。序盤はルクレールに後れを取っていたものの徐々に巻き返し、ついには主導権を握るまでになりました。残り3レースを残して日本GPでタイトルを確定。メルセデスという強敵がズッコケたこともあり、昨シーズンに比べたら、余裕の展開だったんじゃないでしょうか。次にルクレール。序盤は快調に飛ばしてランキングのトップをひた走っていましたが、やがて失速。これはパジェット・ギャップによりフェラーリの開発に支障をきたしたといわれております。課題は、如何に開発費を抑えるかということになるでしょうか。また、チームに貢献してきた代表のマッティア・ビノットが辞任することになりました。技術部門の責任者でもあるビノットがいなくなることで開発に支障をきたさなければ良いのですが。続いてペレス。フェルスタッペンのサポート役は十分に果たしているんじゃないでしょうか(こういう風にセカンドドライバー前提で書いていること自体失礼かもしれませんが)。それでも、シーズン2勝。モナコでの勝利はペレスにとっては特別なものとなったに違いありません。何しろ、他のGPの3勝分の価値はあるといわれるモナコで勝ったのですから。晴れて、モナコウィナーの仲間入りです。特筆すべきはシンガポールでの勝利でしょう。ウェットレースで次々にリタイアが続出するという展開に。そんな中、ペレスがしたたかに走り切りトップチェッカー。荒れたレースに強いペレスの真骨頂が発揮されたレースでしたね。お次はラッセル。シーズン序盤からパイセンのハミルトンを凌ぐ走りをみせる活躍振り。そして、ブラジルGPで遂に念願の初勝利を達成。2020年、サヒールGP(※2)での雪辱を果たしました。メルセデスのマシンは「ポーパシング」という、高速走行中にマシンが上下に跳ねる現象に悩まされてきました。また、マシンの特性がピーキーであり、ハマった時は速いけど、そのスイートスポットが狭いので、マシンの力を発揮させずらいのです。これらの問題を解決すれば再び常勝軍団に戻ることになるでしょう。ここでサインツ。イギリスGPでやっと勝利の美酒に酔いしれることが出来ました。長らく自己ベスト2位の「セカンドプレイスフィニッシャー」として過ごしてきましたが、遂にその不名誉な称号から逃れた訳です。速さはあるものの同僚のルクレールに比べると、まだ少し負けている感じです。来シーズンの課題は、チームメイトに伍する速さを身に着けることでしょうか。そして、ハミルトン。絶対王者が突如失速。戦闘力の無いマシンにモチベーションが上がらなかったのか、新規加入のラッセルに後れを取る体たらくでした。しかし、徐々に本来の速さを取り戻し、ブラジルGPでは優勝までもう一歩の所まできました。しかし、今シーズン無勝利に終わったことで、デビューイヤーから続いていた連続勝利記録が途絶えることになります。何しろ、ハミルトンはデビュー戦でポールポジションを獲得していますからね。デビューイヤーでの勝利は言うに及ばず、大物ドライバーというのは人々の耳目を集める活躍をするものなのですね。日本期待の角田祐樹。開幕戦で8位入賞と、まずまずのスタートを切ったものの、マシンの戦闘力不足により入賞がままならない状況が続きます。その様な中、4回入賞したのは上出来でしょう。第3季も続投決定。チームメイトに新人のデ・フリースが加わります。デ・フリースは代打で出走したデビュー戦のイタリアGPで戦闘力の無いウイリアムズのマシンで9位入賞したという注目の新人。刺激を受けて切磋琢磨し合いながら精進することを期待します。さて、ベッテルが遂に現役引退することになりました。とうとう、セバスチャンズ(※3)が全員いなくなることになる訳です。レッドブルで4年連続タイトルを獲得。しかし、2014年のレギュレーション大幅変更により大不振をかこります。新規加入のリチャルドが3勝をしたのに対し、ベッテルは無勝利。チームメイトに後れを取ったことに嫌気をさしたのか、フェラーリに移籍します。新天地のフェラーリで勝利を重ねるものの、ハミルトンの壁は厚く、タイトルまで一歩のところまできたこともありますが獲得までには至りませんでした。そして、新規加入のルクレールに後れを取るばかりか、同士討ちまで起こしてしまいチームを離脱。今度はフォースインディア改めレーシングポイント改めアストンマーチンに移籍します。アゼルバイジャンGPでは2位表彰台に上がり「スーパー・セブ」振りを発揮。ハンガリーGPでも2位でフィニッシュしますが、燃料規定違反により失格という残念な結果に(涙)。要所要所で入賞するものの、その後はポディウムに上がることは無く、今シーズン限りで引退となりました。お茶目なキャラクターということも手伝って、長らくグランプリのムードメーカーとなっていただけに、いなくなるのは寂しいですね。探求心が旺盛なので(※4)引退後は解説者が案外向いてるんじゃないかと思っております。

※1 1984年、夏の甲子園。決勝戦で取手二高とPL学園が対戦。木内監督率いる取手二高が桑田真澄、清原和博を擁するPL学園に勝利して茨城県勢初の優勝を果たした。尚、木内監督は投手に清原を徹底的にマークさせる指示を出して打たせなかったという。

※2 ラッセルは先頭を走っていたが、ピットイン時にチームのミスでボッタス用のタイヤを装着されるというトラブルに見舞われた。その後、自分用のタイヤを装着する為、再びピットイン。2番手まで挽回するものの、パンクにより後退。ファステストラップを獲ったものの9位に終わった。

※3 2009年当時、セバスチャン・ブエミ(スイス)、セバスチャン・ブルデー(フランス)、セバスチャン・ベッテル(ドイツ)の3人の「セバスチャン」が参戦していた。

※4 ブリジストン参戦当時、開発責任者の浜島裕英氏にタイヤの使い方を根掘り葉掘り質問していた。