先週のオンライン小3国語クラスでは、テキストに載っていた「小人のぼうし」というお話が収録されている、こちらの本をご紹介しました。
こちらには、ドイツの絵物語作家、ヴィルヘルム・ブッシュが蒐集した11話の昔話が収められています。病をえて故郷の村に帰って静養していたブッシュは、昔話や伝説、民謡や格言の蒐集を思い立ったそうです。この本の「あとがき」を読むと、自分の村ばかりでなく、叔父がいた村も訪ね、当時まだ残っていた語り手から、直接聞いて書き留めたということが書かれています。21歳から3年間ほどのことでした。
さて、テキストに収録されていた「小人のぼうし」は、タイトルだけ見るとかわいらしいお話に見えますが…
「へやのすみから太い棒をもち出して、羊飼いをふくろだたきにしました。」というような記述があるような話です…。
そして、この「小人のぼうし」は、まだ生ぬるい方で、表題作の「黒いお姫さま」も怪談話のような怖さがありますし、他のお話でも、血がしたたり落ちたり、吹き出したり…グロテスク&ホラーです…!!
最終的には、勇敢な正直者が報われる話なのですが、いかんせん怖すぎるので、お子様に読ませたい場合は、事前に保護者の方が一読されることをお勧めします…。(お子様が図書館などで自主的に借りてきた場合は、そういうものに耐性があるお子様だと思われますので、大丈夫だと思いますが…)
「本当は怖い」という噂のグリム童話もドイツのお話ですし、ドイツの昔話はブラックなものが多いのでしょうか…。
このお話を紹介したときに、「不気味なお話」関連で生徒さんの保護者様に教えていただいたグリム童話が、こちらです。
こちらは、12人の素晴らしく美しいお姫様たちのお話です。
毎晩、お姫様たちはどこにも行かずに眠っているはずなのに、朝になると、お姫様たちの靴は、まるで一晩中踊りあかしたようにぼろぼろになっている…という謎を解くお話です。
こちらも確かに少し不気味なお話です…。
けれども、細部まで描きこまれた絵が、本当に美しい!!
どのページを開いても(文字が書いてある周囲の額縁のような絵も)、芸術的です!!
怖いけれどもなぜか心を惹かれるグリム童話の魅力を、そのまま描き出したような素晴らしい絵。
物語も面白いですが、絵を見るだけでも価値のある絵本だと思います。
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