最近、在宅医療は進化してきています。
エコーや検査キット、在宅輸液など、高度な医療テクノロジーが在宅でも受けられるようになってきました。
耐性菌や二次感染の心配も少ないです。
環境の変化もなく、今まで生活してきた「自分の家」で医療サービスを受けるわけですから、せん妄の心配もほとんどありません。
もともと、1970年代までは終末期 . . . 本文を読む
病気になったときには、病院に行くと安心感が得られます。
医師、看護師、多数の医療従事者が揃っています。
夜中でも多くの人々が医療のために働いています。
病院は、手術、検査、点滴治療などが迅速に受けられる場所です。
しかしながら、病院には負の側面もあります。
病院には一般の場所ではみられない高度な耐性菌がいたるところにおり . . . 本文を読む
沖縄県男性の平均寿命順位が急落した主な原因として、欧米型食生活、運動不足、大量飲酒、喫煙、そして自殺の増加などがあげられています。
対策としては、ゼロ次予防としてのポピュレーション戦略を導入することが有効です。
これは、県民が全体としてその生活習慣を改善するための施策を導入することです。
具体的な例として、以下のことがあげられます。
. . . 本文を読む
ポピュレーション戦略は、社会全体を対象として、病気にならないために健康な人々が戦略的に行うゼロ次予防対策です。
例として、すべての加工食品で塩分や脂肪含有量を制限する、公共の場での全面禁煙、そして自動車使用を制限する政策、などがあげられます。
ここでは、塩分摂取量への効果についてみていきます。
まず、旧石器時代の人類の塩分摂取量は一 . . . 本文を読む
これまでの暗黙の了解的な概念では、「健康人と病人との境界線は明瞭である」とされていました。
この境界線により、病気(危険因子)のある「病人」にのみ焦点を絞り、治療や予防介入がなされてきました。
そして「健康」といわれる大多数の人々には関係はないとされていました。
それに対して、新しい「ポピュレーション戦略」は、 . . . 本文を読む
心筋梗塞や脳梗塞などの患者の大多数はむしろ中程度以下のリスクの集団から発生しています。
そのような集団からの罹患率はそれほど高くはないのですが、グループとしての人口が圧倒的に多いために、少人数のハイリスクグループより、多数の低または中リスクグループが、より多くの病人を生み出しているということなるのです。
母集団があまりにも多いた . . . 本文を読む
従来の予防医療では、病気の予防のために、患者個人に対して医療が行われてきました。
これは通院治療を意味し、高血圧症患者に対する降圧療法、高脂血症(脂質異常症)患者に対するLDL(悪玉)コレステロール低下療法、糖尿病患者に対する血糖低下療法やカロリー制限などがあります。
病気(脳卒中など)が発症する前にこのような予防的医療を受けること . . . 本文を読む
貧困はどのように人々の健康状態に影響するのでしょうか。
一例として、貧困層の人々は喫煙率が高いことがわかっています。
その要因として、ストレスが多いので喫煙によりストレスを解消する、周囲に喫煙者が多いので喫煙で人間関係を強化している、などが挙げられます。
周りの人が喫煙していると喫煙するリスクが高くなります。
peer pressur . . . 本文を読む
最近の日本は、人々の経済格差が広がり、不平等社会になっているといわれます。
「不平等社会日本」「下流社会」「ワーキング・プア」などの用語が頻用されています。
実際、地域ごとの平均寿命を比較した研究でも、経済的水準が低い地域で平均寿命が短くなっています。
また、「不平等な社会」そのものが、その地域の住民全体 . . . 本文を読む
「ユイマール精神(相互扶助の精神)」をもつ沖縄の長寿集団では、相互扶助が基本的倫理原則です。
このような人と人とのつながりを大切にする社会が、長寿社会をつくっていくうえで最も大切です。
長寿集団は面倒見のよい人が多いです。
はじめて会った人に対しても、とても親切にしてくれることがしばしばです。
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