今回も前回に引き続き今までのおさらいというように総合診療のキーポイントを上げていきます、今回は短めに、では
●発熱患者や感染症を疑う患者では悪寒の有無とその程度を確認する
感染症急性期ではまず悪寒が先行し、その後体温上昇を認める。 敗血症を早期に捉えるためには、悪寒の有無を確認し、その程度について詳細な問診を取るべきである。
患者のベッドが体の激しい震えによって「ガタガタ」揺れている場合は、悪寒戦慄を意味しており、ただちにsepsis workupを行うべきである。
また、「中等度悪寒」であっても、「頻呼吸あり」の場合、敗血症を示唆する。 一方、「軽度悪寒」の場合には、「頻呼吸なし」かつ「頻脈なし」であれば、敗血症のリスクは低いといえる。
●糖尿病患者の感染症では「組織内ガス」を探せ
糖尿病でリスクが高くなる重篤な感染症には
軟部組織:壊死性筋膜炎
腎尿路:気腫性腎盂腎炎
胆のう:気腫性胆のう炎
骨:骨髄炎
関節:化膿性関節炎
肛門:肛門周囲膿瘍
外耳道:悪性外耳道炎
などが挙げられる。 このうち、壊死性筋膜炎、気腫性腎盂腎炎、気腫性胆のう炎などでは抗菌薬の投与のみでは救命できない場合もあり、「組織内ガス」を認めたら、外科的デブリドマンや臓器摘出などの適応について緊急で外科コンサルトを行うべきである。
今回はこの辺で、次回に続きます。