今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

レントゲンの日

2006-11-08 | 記念日
今日(11月8日)は「レントゲンの日」。
ドイツの物理学者・W.C.・レントゲンが1895(明治28)年の今日(11月8日)、X線の発見を報告し、この功績により、1901年、第1回ノーベル物理学賞を受賞した。
クルックス管を用いて陰極線の研究をしていたレントゲンは、そばにあったシアン化白金バリウムを塗った蛍光紙が明るく光る(放射線の発生)ことに偶然気附いた。この放射線は陰極線のように磁気を受けても曲がらないことから、レントゲンは新しい放射線の存在を確信し、これを「謎の」という意味でX線と名付けたという。この「X線」の名はその時点ではまだ光の「正体が不明」という意味からだったそうだ。後の研究でも、X線の正体は1912年まで分からなかったが、X線は、波長がたいへん短い電磁波であることが判った。波長が短いため体を通り抜けることができ、体の部位や状態によってその通り抜け方が違うことから、体の内部の様子を撮影することができる。この透過性の高いX線の発見はただちに医学に応用されたため(X線写真)、この功績に対し1901年最初のノーベル賞が贈られた。その後、科学の発展は万人に寄与すべきであると考えたレントゲンは、X線に関し特許等によって個人的に経済的利益を得ようとは一切せず、1923年ドイツの破滅的インフレの中、無一文でこの世を去ったという。彼はX線のことを「レントゲン」と呼ばれることをも不快に思っていたらしいという。
拝金主義のはびこっている現代においては、2001年8月、中村修二(現・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が職務上で発明した(特許法上、職務発明という)「404特許」を巡って元勤務先の日亜化学工業を提訴した・・・いわゆる青色LED( 発光ダイオード)の特許紛争などをつい思い出すが、科学の発展は万人に寄与すべきであるとして、X線に関し特許等によって個人的に経済的利益を得ようとはしなかったというレントゲンの心意気は立派だね~。なんでもかでも、権利権利と欲の皮の突っ張っている現代人にレントゲンの爪の垢を少し飲んでもらいたい気もする。兎に角、このX線は、現代の医療・科学の発展に多大な貢献をもたらし、特に医療分野ではX線の利用なくしては医療が成り立たないと言っても過言ではないのではないか。
レントゲンというと、私などはあの会社などで行う身体検査でのバリュームを飲んでするいやな胃の検査などをすぐに思い出す。あれは、嫌だよね~。兎に角、下剤を飲んで、その上、まだ、下痢しやすいようにと冷たい牛乳などを飲んでも、なかなか飲んだバリュームが、外に出ず、1日中気持ちが悪かった。しかしレントゲンは、カラダにかける負担が比較的少なく、手軽に身体の内部が見られるというメリットを生かし、最近では様々な方法で活用されている。
X線は人間が初めて発見した「放射線」である。病院に行って、レントゲンを撮ると、当然放射能を浴びることになる。この、放射線と聞いただけで、長崎・広島の原爆、チェルノブイリや東海村の原子力発電の事故による「被曝」を連想する人がいるかもしれない。ひょとしたら、あの東宝の映画(「ゴジラ」1954) を思い出す人がいるかもしれないね~。(^0^)
第1作『ゴジラ』映画は前年にアメリカで公開された映画『原子怪獣現わる』にヒントを得て円谷英二による特撮よって製作されたもので、身長50mの怪獣ゴジラは人間にとっての恐怖対象であると同時に、「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれていた。観客動員数は961万人を記録する大ヒット映画で、私も映画館に列を作って入場券を手に入れて見たよ。「ゴジラ」映画が公開された年、ビキニ環礁で行われた水爆実験に遭遇し"死の灰"を浴びた第五福竜丸事件が発生しており、それだけに、水爆実験で永い眠りから覚めた巨大恐竜ゴジラが発する"放射能火炎"には、ビキニ事件と重なり恐怖におののいた記憶がある。今と違って、まだ、「放射能」についての知識が皆無であるころだから、ゴジラが放つ火炎の「放射能」は恐怖を仕立て上げるに十分なものであったといえるだろう。
放射能はあくまである放射性物質が、放射線を出す能力を指す言葉であり、具体的な物質を指す言葉ではない。喩えて言うなら、電球を放射性物質、電球から出る光を放射線としたとき、放射能に当るのは電球が光を発する能力のこと。しかし、報道や日常会話では、「放射能を持つ物質(放射性物質)」と「放射線」と「放射能」との概念上の区別があいまいで、危険物というニュアンスで放射能の語がひと括りにされ誤用されているのである。よく、原子力関連の事故に於いて「放射能漏れ」と報道されることがあるが、それは誤った使用例であり、「放射性物質の流出」とか「放射線の誤照射」といわれるべきものだそうである。
放射線は、普通に生活をしていても、、食物や空気、宇宙線、大地などから被曝しており、被曝する量は年間約2.4mSv(ミリシーベルト)ぐらいだそうだ。放射線の被曝の量を示す単位シーベルト(Sv)は、実際に人体へどのくらいの影響があるかを示すもの。一方、胸部撮影1回の皮膚のX線量は0.2mSvだそうだ。ただ、年に何回もレントゲン検査はしない方がよいとよく言われるし、神経質な人の中には、検査を拒否する人もいるらしい。放射線被曝が、全く影響がない訳ではないだろうが、自然被爆と比較しても、それほど心配する必要がないということだ。・・・そりゃ、そうでないと、安心して、レントゲンの検査が出来ないよね~。レントゲン検査を気にしている人は、ラジウムや、ラドン温泉に、も入れなくなってしまうのでは・・・。それと、余り心配して、原子力発電所の建設などでも何でも反対などはどうかと思うが・・・。勿論、施設の管理は、厳重に責任をもって、きっちりとしてもらわなければ困るが・・・。
(画像は、レントゲン夫人の手のX線写真。フリー百科事典Wikipediaより)
参考:
ヴィルヘルム・レントゲン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B2%E3%83%B3
インフレーション - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
青色LED特許紛争
http://www.patentsalon.com/topics/blueled/index.html
発光ダイオード - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E5%85%89%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%89
ゴジラ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9
放射能 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD
放射線医学研究所 放射線Q&A
http://www.nirs.go.jp/info/qa/index.shtml