今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

いいいろの日

2006-11-16 | 記念日
今日(11月16日)は、「いいいろの日」
愛知県の塗装・塗料に関する事業の業界団体「愛知昭和会」が1991(平成3)年に制定。「いい(11)色(16)」の語呂合せ。
愛知昭和会は、地域業界の発展に貢献することを目的に設立した業界団体だそうで、創設以来、様々な研修活動、ボランティア活動を展開。毎年この日を「色」(特に塗装と塗料)に関心を持つ日にしようという目的のもとシンポジウムを開催し、「いいいろの日」制定を全国に向けて提唱。 以来、他府県業界への普及活動や県下ボランティア塗替事業などを通じ、「いいいろの日」定着に向けて努力しているのだそうだ。
又、この業界団体とは別に、東京に「公共の色彩を考える会」と言うボランティアの会がある。同会のHPを覗いてみると、「公共の色彩とは 」として、 いわゆる公的私的の区別なく公衆の目に触れる、主として外部環境の色彩を、「公共の色彩」と称し、そのような各地域における優れた環境色彩を顕彰するために「公共の色彩賞」を設けている。又、”「騒色」とは、周辺環境との調和を著しく乱すと共に、人々に不安や不快感を与える望ましくない色づかいのことをいい。色づかいの良し悪しは、その色だけの評価ではなく、隣接する色との関係、周辺の全体との関係などによって左右される。景観条例などで述べられる「過度な自己主張をさけ・・」という表現が示すように、周辺との関係性を無視し、目立つことのみを考えた独り善がりの色づかいは、避けなければならない。”として、同会では、このような色づかいを「騒色」と呼び、そのような「騒色」がなくなるよう啓蒙しているのである。
確かに、日本の場合、世界の先進国と比べると色彩に関する認識が薄く、同会の言うところの、「騒色」が多いように思われる。頑張ってほしいものだ。
ところで、色とは何を言うのか・・?。この色とは、視覚を通して感じられる感覚の一種である。
人はの刺激に応じて色を感じる。光は電磁波の一種で、波の性質を持っている。
人が目で見ることのできる光、いわゆる可視光線と呼ばれるものは約380nm~780nmの波長であり、その波長に基づき判断される色が、「その物体の色」として認識される。
光そのものに色という性質はなく、光を感じたものが色を作っている。つまり、一般的な色は、人間の視覚すなわち可視光線の範囲内を基準として表現されている。だから、可視光線の外側の波長は紫外線赤外線となり人間の目では見ることはできない。
生理学的には、目に入った光は網膜内にある3種類の錐体細胞が吸収する可視光線の割合が色の感覚を生んでいる。つまり、人間の視覚が色を認識する際には、その光の波長を直接計っているのではなく、眼球の錐体細胞に含まれる3つの色素が光を吸収する割合を計っているに過ぎなく、そのため、独立した3つの色を合成することで人間に任意の色を感じさせることができるのであり、これが3原色という感覚を生む原因であるそうだ。
このような専門的な難しい話は別にして、人間の色の感じ方は一様ではない。その上、遺伝子のタイプの違いやさまざまな目の疾患によって色の見え方が一般の人と異なる人も多くいるようだ。私たちの生活には、実にさまざまな色が溢れているが、人それぞれに「好きな色」「嫌いな色」を持っているのではないだろうか。そして、その色の好みは、その人の性格とも関係があるようだ。
そうなると、個人の家庭の中での家具やインテリア、内装などといった、プライベートな空間に関するものであれば、問題はないが、それが、家やビルなどの外装などとなると、周辺地域との環境との調和などの点から、いろいろな問題があるだろう。
日本では、高度成長期以降、各地で高層マンションの建設などをきっかけにしたトラブルが続いてきた。良好な景観や都市環境を求めるよりも、経済性が優先され、建築基準法や都市計画に違反しない限りどのような形態の建築物でも建てることができる「建築自由の国」と揶揄される状況になっていた。また、屋外広告なども景観問題を引き起こした。
一部の地方自治体では地域住民の要望に応え、景観に関する条例を定めていた(景観法制定前に約500団体)が、法律の委任に基づかない自主条例のため、建築確認の際に必ずしも従う必要はなかった。長い年月をかけて形成されたヨーロッパなどの伝統と風格ある街並みに比べ、日本では全国どこへ行っても同じような住宅やビルが雑然と並ぶ状態になり、地域ごとの特色ある街並みも失われていった。こうした事態に対する危惧から、景観に対する配慮が次第に関心を集めるようになった。
国土交通省では「美しい国づくり政策大綱」を策定し(2003年7月)、景観法(都市緑地法、屋外広告物法とともに景観緑三法(みどり)と呼ばれる。)が2004年6月に公布された。
この景観法が2004年12月に施行され、環境整備や保全に関する社会的関心が高まってきた。
あの歴史のある観光地京都においてすら、景観問題を最重視する立場と「景観以上に重要なことがある」と経済面等を重視する立場の間には、大きな隔たりがある。それ程、景観の問題は複雑である。そのような、環境問題の中でも、視環境問題はおそらく最後にくる最も難しいものであろう。それは、視覚的なイメージの中の非アメニティ(amenity)であり、最近の環境破壊においてさえ、多かれ少なかれ人体に対する直接の危害を想定しているのに対し、何ら私達の生命自体に関与しない点が特徴だからである。だから、その分解決は容易ではない。
この視覚的イメージと関係の深い色彩の社会的問題が最初に取り上げられたのは、1981年の「東京都・都営バス 黄&赤バス事件」などを初めとする1980年代のことであり、社会に色が溢れすぎているという”騒色”問題として、マスコミにも取り上げられるようになった。その後、原色で色鮮やかに塗られたり、あるいは町並みに調和しない色で塗られた住宅やビル、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、バス電車等の公共空間に頻繁に現れる派手な色が問題となり、その度に色彩の社会的問題として新聞等に取り上げられてきた。
しかしながら、色の使い方には社会的にも慣例的にも何ら規制はない。ましてや法的な規制もない。色使いに関しては、個人の好みの問題であり社会的規制は全くないというのが現状である。それは、視覚的イメージとアメニティ(快適性)との関係を理論的に明確にすることの難しさに有るとも言えるだろう。
様々な色が日常生活に溢れるようになった現在、快適な環境のためには、色使いの社会的ルールが必要であることには間違いない。何とか早く文化的な生活環境を実現したいものである。
(画像は、「いいいろ塗装の日」のポスターとちらし
参考:
愛知昭和会
http://www.infosite.ne.jp/1116/
公共の色彩を考える会
http://www.sgcpp.jp/
色 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2
色について
http://www.ai.kyutech.ac.jp/~toshi/kiso_2/ensyu/color/index.html
景観法 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%AF%E8%A6%B3%E6%B3%95
景観緑三法の制定について
http://www.mlit.go.jp/crd/city/plan/townscape/keikan/index.htm
産総研:プレス・リリース 心理特性を組み込んだ色彩の快適度計測器を開発
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20061005/pr20061005.html『色彩嗜好とパーソナリティ』
http://www.komazawa-u.ac.jp/~majima/rej_niikura.htm
色彩について
http://www.asco.jp/ccom21/link.html
国立での高層マンション訴訟の好判決事例を報じた新聞記事
http://www.geocities.jp/saginuma4cho/j-kunitachi_kiji.html
リンク/環境デザイン/景観
http://www2u.biglobe.ne.jp/~color/all/l_03b_environment.htm
いいいろ塗装の日
http://www.tokyochuokai.or.jp/jiyoho/kinenbi/toso.html