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「国鉄再建法」が公布・施行された日

2006-12-27 | 歴史
1980(昭和55)年の今日(12月27日)は、「国鉄再建法」が公布・施行された日。
日本国有鉄道経営再建促進特別措置法」(略称:国鉄再建法)は、1980(昭和55)年に制定された日本国有鉄道の経営改善を促進するため執るべき特別措置を定めた法律であり、この法の制定により、1985(昭和60)年度までに、日本国有鉄道の経営基盤を確立することとし、「経営改善計画」の策定とその実施状況の報告を運輸大臣に対して行なうこととされた。
そして、1986(昭和61)年11月28日,第107回国会において,政府から提出されていたいわゆる国鉄改革関連8法(日本国有鉄道改革法,旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律,新幹線鉄道保有機構法,日本国有鉄道清算事業団法,日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職の促進に関する特別措置法,鉄道事業法,日本国有鉄道改革法等施行法並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律)が成立した。
これらの法律は,1985(昭和60)年7月に、国鉄再建監理委員会から内閣総理大臣に提出された「国鉄改革に関する意見」に基づき、国鉄の分割・民営化を基本とした内容となっており、その成立により国鉄改革の法体系が確立した。このことによって、1986(昭和61)年12月4日「国鉄再建法」は廃止された。
太平洋戦争後、最悪の事態を迎えていた日本国有鉄道(略称は国鉄)も1947(昭和22)年6月頃には次第に復旧し始めていたが、この頃、国有鉄道の財政は戦後のインフレーションに加え、復員兵・海外引揚者の雇用をさせられた関係などで極度に悪化しており、1948(昭和23)年7月22日にはGHQダグラス・マッカーサーから国の専売事業や国鉄などの政府事業を一般の国家公務員から除外し、事業運営を行うための公共企業体の設置を求める書簡が出され、それを受け、同年11月30日には「日本国有鉄道法」が国会を通過し、1949年(昭和24年)6月1日には公共企業体としての「日本国有鉄道」として新たな出発をしていた。
国鉄は発足後、1960年代までは国内の旅客・貨物輸送の主力を担ってきたが、国鉄が初めて赤字に転落したのは1964年(昭和39)年であるというが、それ以降は一度も黒字を計上することはなかった。
その国鉄が、国鉄改革関連8法に基づき、1987年4月1日、6つの地域別の旅客鉄道会社(JR東日本JR東海・JR西日本JR北海道JR四国JR九州)と1つの貨物鉄道会社(JR貨物)などに分割し民営化された。そして、経営の改善をはかるため、1987(昭和62)年4月1日に鉄道事業を株式会社(JRグループ)に引き継がせ(国鉄分割民営化)をした。
この国鉄分割民営化は、当時の中曽根康弘内閣が実施した政治改革であり、電電公社日本専売公社、のちの日本道路公団日本郵政公社民営化など、自由民主党による一連の民営化政策の目玉であった。なお、分割・民営化に現場で辣腕を振るったのは、当時の運輸大臣三塚博だった。
経営が破綻に瀕した国鉄という全国一元的な経営形態を解体・再編し、経営の効率化や長期債務の処理、労使関係の正常化、鉄道事業の再生を図る「世紀の大手術」であったが、この改革をめぐる評価はさまざまである。(分割民営化の目的経過結果参照)
国鉄の経営が破綻したのは、1970年代以降、政治家による地元の過疎地域への新線建設を強いられたことや自動車や航空機による輸送の増加、国内の鉱業の衰退などが響いて不採算路線が増加したことに加え、労使関係の悪化によるストライキなど労働争議の頻発化、そして1973年(昭和48年)のオイルショックやその後の不況が追い討ちをかけ、莫大な累積赤字を抱えたことが、国鉄の経営破綻の重大な要因であった。
国鉄の債務処理は日本国有鉄道清算事業団に移行したが、同事業団は、旧国鉄の土地や保有するJRの株式を売って借金返済にあてたが、返済の穴埋めのための借金を重ねた結果、債務は逆に1987年度当初よりも膨らみ、祚の返済のための財源の大半は公的資金、つまり、国民の負担となったのである。、又、輸送需要の少なさなど構造的に経営基盤が弱体なまま出発した、北海道、四国、九州やJR貨物など苦しい経営が続いており、国鉄の赤字ローカル線を地元自治体などによる第3セクターが引き継いだ転換鉄道も殆どが経営悪化に悩んでいるようである。そして、JR各社は、収益・効率を優先する余り、安全面の不安が指摘されていたが、特に、私営鉄道の発達している関西で、それらと主要路線で競合しているJR西日本などでは、私鉄とのスピード競争を余儀なくされそれらが、2005(平成17)年4月の尼崎駅~塚口駅(福知山線 )間での列車脱線事故につながったともいえるだろう。この事故では死亡者107名負傷者549名もが発生している。
今進められている、郵政民営化でも同じであろうが、親方日の丸的な仕事のやり方は困るが、単に、民営化しただけで、民営化した会社に経営能力がなく、銀行のように、もともと、民営であるはずの会社なのに、赤字になっても潰す事ができないなどといって、公的資金というわれわれの税金を赤字会社を救うために投入するのでは、何の民営化か分からない。民営化するなら、そのあと、民営化された会社が確りとやってゆけるような形で進めてもらいたいものである。
(画像は、私のコレクションより国鉄民営化前・昭和61年7月の国鉄のチラシ。「おらはとこの鉄道はどうなるかな」とある。民営化への不安を解消させるためのチラシ。裏面にいろいろ説明あり。)
参考:
日本国有鉄道経営再建促進特別措置法-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%9C%89%E9%89%84%E9%81%93%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%86%8D%E5%BB%BA%E4%BF%83%E9%80%B2%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%8E%AA%E7%BD%AE%E6%B3%95
運輸白書
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/index_.htm
国鉄再建法施行令[1980政25-1982政286]
http://9.pro.tok2.com/~yjinno/saikenrei.htm
国鉄改革について
http://www.mlit.go.jp/tetudo/kaikaku/01.htm
国鉄の分割民営化について
http://noz.hp.infoseek.co.jp/column/Kokutetsu2JR.html
西日本旅客鉄道福知山線における列車脱線事故について
http://www.mlit.go.jp/fukuchiyama/index.html
国鉄時代のチラシ
http://m-yousan.hp.infoseek.co.jp/room4-3.html