王維
送元二使安西
半紙
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送元二使安西
渭城朝雨浥軽塵
客舎青青柳色新
勧君更尽一杯酒
西出陽関無故人
元二の安西に使いするを送る
渭城(いじょう)の朝雨(ちょうう)軽塵(けいじん)を浥(うるお)す
客舎(かくしゃ)青青(せいせい)柳色(りゅうしょく)新たなり
君に勧む更に尽くせ一杯の酒
西のかた陽関を出れば故人無からん
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唐の時代、友人が旅に出るときには
渭城(長安の対岸にあった町)まで見送る風習がありました。
そこの宿屋で一泊して、酒を飲んだわけです。
「西」とは「西域」のこと。
辺境の地へ旅立てば、無事帰れるかどうかも分からなかったわけです。
「陽関」とは西域への関所、「故人」とは古い友人の意です。