もう20年以上も前に、ちょっとデカルコマニーに凝った時期がありました。
滝口修造が作ったものを写真などで見て、どうやったらこんなふうにできるのだろうと
長いこと不思議でしたが、あるとき、ふとした雑誌の記事でヒントを得てやってみたら、ものすごく簡単で、びっくりしました。
これほど、簡単で、何か「芸術的な感じのする」ものができる技法はそうはないでしょう。
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手順をお教えします。
1 まず、つるつるの紙(アート紙・あるいはカレンダーの裏を使ってもよい)を用意。大きさは自由。
2 その紙を半分に切って、2枚にします。
3 片方の紙に、ポスターカラー(アクリル絵の具でもよい。色は自由。)を筆につけて、グチャグチャと描く。
形を描くのではなく、絵の具を置くという感じ。絵の具を塗る量に変化をつけることが大事です。
決して、模様を描くのではありません。仕上がりはまったくの偶然の産物です。
またこの絵の具の濃さで模様が違ってきます。水で薄めたり、塗り方の濃いところと薄いところを作るなど試してみてください。
4 もう1枚の紙(白紙)を上から重ねて、適当に圧力をかける。均等にではなく、適当に、が大事。
時間的には、ほんの数秒。あまり時間をかけないほうがよいようです。
5 重なった2枚の紙をゆっくりとはがす。
このはがす速度、はがす方向などで模様が違ってきます。
はがすときに、途中でちょっと止めてみたり、紙を少しずらしてみたりするなど、いろいろ試してみてください。
6 乾かして出来上がり。ただし、いくら乾かしても、絵の具は紙にしっかりと定着しないので、
作品の表面には触らないこと。さわると、すぐに傷がついてしまいます。
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以上です。ひまをもてあましている方は、一度お試しください。
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私の作品を紹介します。20年以上も前のものです。
出来上がった作品を、トリミングしています。トリミングの仕方によって、イメージが変わってきます。
色はほとんどが黒一色ですが、青を少し混ぜているものもあります。
何枚作っても、それぞれに独特なものになるので、ほんとうに不思議で、やみつきになりますが
やっぱり、努力がいらないので、飽きますね。