水原秋桜子
夏山は明けつつ月は野を照す
●
大分前に凝っていた書と写真との融合。
名付けて「コラ書」。
久しぶりにやってみました。
水原秋桜子
夏山は明けつつ月は野を照す
●
大分前に凝っていた書と写真との融合。
名付けて「コラ書」。
久しぶりにやってみました。
水原秋桜子
滝落ちて群青(ぐんじょう)世界とどろけり
半紙
●
季語「滝」夏
「帰心」昭和29年刊所収。
●
高校国語の教科書にもよく載っている有名な句です。
秋桜子晩年の傑作と言われます。
なんといっても、「群青世界」の語が印象的。
この語は、中尊寺の僧から聞いた「金色世界」からの連想での造語ということです。
「群青」は日本画の顔料ですが、もちろん青色。
むかしクレパスの色で「ぐんじょういろ」というのがありましたね。
なつかしい。
この滝は、4月に那智の滝を訪れた際に作られたのですが
「滝」が夏の季語であるために、「夏の俳句」となっています。
こういうところがまた俳句の面白いところですね。
実際の風景が、俳句という「装置」の中で、変換するわけです。
水原秋桜子
みづうみをこえくる雨や初蕨
半紙
●
季語 初蕨 春
「新樹」昭和8年刊所収。
●
なんとも爽やかな句。
湖を渡ってくる風にのって春の雨が、
芽を出したばかりの蕨に降りかかる。
西洋画のような遠近感と
映画のような雨の動き。
そして鮮やかで透明な色彩感覚。
秋桜子の句は、明るく近代的です。
水原秋桜子
来し方や馬酔木咲く野の日のひかり
半紙
●
季節はずれですが、それとは関係なく
近代の俳句をしばらく書いてみようかと思います。