私は、ウクライナでの戦争が一日も早く停戦に至るように願う一人として、この戦争について、自分なりに公平な判断をしたいと思っているのですが、ロシアからの情報が圧倒的に不足していて、判断ができません。そこで、すでに書いたことも含めて、いくつか疑問に思うことを列挙したいと思いました。こたえていただけるとありがたいです。
1、ウクライナのゼレンスキー大統領が語りかける映像は、日々更新され、字幕付きで報道されているのに、ロシアのプーチン大統領が語りかける映像は、字幕がなく、何を語っているのかわからない古い映像が、くり返し流されています。なぜでしょうか。私は、公平ではないと思います。
2、最近、プーチン大統領の支持率が83%であるという報道を見ました。また、「プーチン大統領は真の愛国者だ」と語っている男性の映像を見ました。でも、日本では高い支持率が、”ロシアの人たちがフェイク・ニュースに騙されているからだ”というようなレベルで止まっているように思います。
停戦のためには、フェイク・ニュースの内容に踏み込み、ロシアの人たちがどんなフェイク・ニュースに騙されているのかを突き止めて、お互いに正しい情報を共有しようと働きかける姿勢が大事ではないかと思います。どんなフェイク・ニュースが流されているのか知りたいと思うのですが、なぜ、”騙されているからだ”で止まっているのでしょうか。
3、ロシア国営テレビで、「反戦」を訴えた女性の映像がくり返し流されました。また、反戦デモをしている人たちが、厳しい取り締まりをするロシアの警察官に必死に抵抗しているような映像も、何度も見ました。
だから、ウクライナにも、ロシアと戦争をしたくないと考え、ゼレンスキー大統領の政策に反対する人たちは必ずいると思います。特に、ゼレンスキー大統領が「国民総動員令」を発令し、18歳から60歳の男性市民に対して「出国全面禁止」をしたことに対しては、相当の反対があったのではないかと思うのですが、報道は見たことがありません。反対はなかったのでしょうか。
また、ゼレンスキー大統領を支える人たちと、ロシアと仲良くしたいという人たちの争いもあるのではないかと想像するのですが、実態はまったくわかりません。
4、アメリカ・ウクライナ側の考え方や主張は直接そのまま報道されるのに、ロシア側の考え方や主張は、専門家などが出てきて解説するかたちで報道されることが多いように思います。なぜでしょうか。私は、ロシア側の考え方や主張も、できるだけ「生」のもの(ロシアの関係者のもの)を聞きたいのです。
また、ロシア側の考え方や主張を解説する専門家が、「ロシアにだまされるな」というような本の著者であったり、ロシアに制裁を課している政府の組織と関わりのあるような人たちであったりすることも、気になっています。
5、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻前、演説をしています。その演説で、”・・・しかも、ここ数日、NATOの指導部は、みずからの軍備のロシア国境への接近を加速させ促進する必要があると明言している。言いかえれば、彼らは強硬化している。起きていることをただ傍観し続けることは、私たちにはもはやできない。”と述べたようです。
それは、アメリカを中心とする西側諸国が、東西ドイツ統一当時16カ国であったNATO加盟国を、ロシアを取り囲むように30カ国に増やしたばかりではなく、隣接するウクライナやジョージアを加盟させようとし、さらに、未加盟のウクライナを含めた軍事訓練をくり返していること、また、バイデン政権がウクライナに対戦車ミサイルシステムを配備したことなどに対する反応のように思うのですが、プーチン大統領が、”傍観し続けることは、私たちにはもはやできない。”と語った実態を考える報道には接したことがありません。停戦のためには大事なことだと思うのですが、なぜでしょうか。
6、プーチン大統領が、ウクライナ東部の紛争解決に向けたミンスク合意について、「もはや存在しない」と述べたことは、報道されました。でも、なぜそのような結論にいたったのかは、明らかにされていないように思います。停戦のためには、合意に至った当時のことをきちんと確認し合い、ともに履行することが大事だと思うのですが、なぜ放置されているのでしょうか。
7、ウクライナのゼレンスキー大統領が3月23日、日本の国会でオンライン形式の演説を行いました。その内容も公開されています。でも、聴きっ放しでよいのでしょうか。一日も早い停戦実現のために、ロシア側の関係者の主張も、何らかの方法で聴くべきではないでしょうか。