日比谷で見損ねたので流山でキャッチ。
ケリー・オハラのアンナはチャーミングで、
王様との契約は対等(気後も見下しもない)で、
(役としての)英国人らしい生真面目さもあって、
とても魅力的。
もちろん歌も上手い。
謙さんは彼女に比べると少し威厳が足りないかなあ。
何年か前に松平健で見てたけど、
上様はさすが国のトップと思わせる威厳があって、
英国からしたら蛮族の首長だけど、
彼らと対等に渡り合えるのが納得できた。
だからこそ国の将来のために
西洋文明を取り入れる葛藤の末に
アンナが呼ばれる流れが自然だった。
それぞれの文化の違いを尊敬しつつ友情を育んできたのに、
アンナは「野蛮人」と言ってしまう。
このとき、言ってはいけない言葉だった、
と、上様とリカちゃんのときには思ったんだけど、
今回の謙さんはそれに比べると
浅慮で威厳不足の王様なので、
まあ、そうだよね、としか思えない。
ただ、これが本来の王様なのかな。
アジアの王様だから、
欧米人からしたらこれぐらいの軽さでいいのかな?
9代目幸四郎は上様寄りな記憶。
大沢たかおがカタカナ英語で
堂々と芝居をしてたのがすごかった。
演技の幅が広いなー。
タプティムは、もとの映画や
今回のロンドン版を見ると
愛する恋人達を引き裂くひどい王様!
なんだけど、
上様だと、「王に献上された属国の美女」
という政治的立場がクリアに見えるので
そりゃ王様は怒るよー、と納得できたな。
西洋にはないは野蛮な風習で、
アンナには理解できないことで、
その辺の溝も主題の一つなんだな、
と思ったな。
謙さんはわからずやの暴君で
それが西洋視点では正しいのは
よくわかるけどさ。
そうそう、第一夫人の英訳って
ヘッドワイフなのね。
ただの一番最初じゃなく、
頂点なんだね。
四夫人の上の皇后的な。
流山も1日1回の上映だけど、
お客さんは10名ぐらいかなあ。
後方にパラパラだったので、
時間ギリギリに入っても
私一人かと一瞬ビビッたよ。
私は休憩があると踏んで
素早くトイレに行くために
前方通路側の席でした。
ここで逃したら
11月末からのイクスピリアだったので
見れて良かったわ。