6月になってロンボク入りしたゆいツールです。
今回は、真っ先に「スンギギ第一公立小学校」に向かいました。
というのも、昨年度実施した「ロンボク島地震災害支援」で余っていたお金(10万円弱)を5月の末に、その学校に寄付していたからです。
支援金が余っていた、というのは、学校用にテントを21個購入(一部建物の屋根材を提供したところもあり)した後現地の状況を見て、それ以上テントを提供する必要がないと判断したためです。
でも、せっかく集めたお金をどうやって役立てようか、と考えていた矢先に(2019年3月に)、エコツアーでこの学校を訪問して、校舎の建て替えが進んでいないことを知りました。(この学校にはゆいツールがテントを提供済でしたが、風と雨でテントが壊れてしまっていました)
(3月のツアーの時に。中央が校長のリドワンさん)
(同じく3月の訪問時の様子)
その後年度が変わってから、ゆいツールの現地スタッフが学校再建の状況を聞きに行くと、政府は約束だけで校舎の修理などは全くされていないことがわかりました。もし、ゆいツールから支援がもらえたら、校舎の建て直しまでの措置として壊れた建物の一部を取り除いてきれいにして、断食明けのお祭りが明けてから(6月中旬頃から)一部の生徒が校舎の中で勉強できるように整えたい、ということでした。
そこで、ゆいツールの正会員のみなさんに相談して、この学校に残りのお金を寄付しようと決めました。
今回学校を訪れてみると、作業が進んでいました。
上は、作業した側。下は、作業をしていない側。違いがわかりますか?
地震でひびが入って、落ちそうになっていた庇を支えていた部分を取り払っています。
支えがなくなって大丈夫なのか?という気もしますが、屋根も重たい素材ではないので大した負荷はかかっていなさそうです。
それにしても、上を見上げるとこんな感じで、なんとかならないものかな、と思います。
今回の訪問で初めて気づいたのですが、今まで見ていた校舎と道を挟んで別棟が建っていました。(1月にテント確認に行った時の様子はこちら)
ところがそこも、地震のせいで壊れて使えなくなっていました。
おまけに、3つ並んだ教室の向こう側にある新しめの教室(写真下)は、建築が終わってさあ使おう、というタイミングで被災して使わずして壊れた、という話でした。
地震後に、マタラム大学の教授たちのチームが寄付してくれた、という給水タンクも見せてもらいました。
これは、地下深くからパイプで水を吸い上げ、子供たちが水道を使えるようにしたものです。(写真には写っていない、もうひとつのタンクの下の地下から水をくみ上げています)
この地域の水道は乾季になると水の出が悪くなるそうで、学校だけではなく地域の人にも使ってもらえるようにしたい、と校長先生は話してくれました。(水をくみ上げるのにモーターを動かさなくてはいけないため、地域の人たちも電気代を負担してもらって共同で使いたい、という希望のようでした)
今回、校長先生に聞いたことで新しかったのは、校舎が少しだけ壊れたところは教育省の管轄で直していて、全体的に壊れてしまったところは住宅省(Kementerian Perumahan)の管轄になっていて、そこが反応が悪いということでした。
他にも直さなければいけない建物がたくさんあって、学校が後回しにされているのかもしれません。
この学校では震災前には毎週月曜日には、さまざまな学校独自の行事があって、子供たちも積極的に参加していました。
でも、今では校庭にテントが建ち行事も行えず、子供たちも震災のトラウマなどのせいで学力も落ちてしまったそうです。
校長先生はあと2年で定年になるため、それまでに校舎を立て替えてもらって、子供たちの学力も取り戻したい、子供たちが安全に勉強できる場所を早く確保したい、と言っていました。
今回、ゆいツールが寄付したお金で校舎の一部を応急的に使えるようにして、上級の3クラス(4年生から6年生)が校舎内で勉強できるようになりました。何度も支援してもらってたいへんありがたい、と校長先生は感謝していました。
「ロンボク島地震災害支援」にご協力いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。(山)
(学校の門の前で校長先生と一緒に。ゆいツールの活動に参加している学生さんも。)
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