ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

バリのマングローブ林を調査 in Bali

2019年06月07日 | ★2019年度(ロンボク)

5月末と6月頭にバリ島で2か所のマングローブ林を訪れました。

目的はいろいろあります。

ひとつは、バリ島のマングローブ林が環境教育の場として機能しているのかどうか、知りたかったということ。

また、マングローブ林でのプラスチックごみの状況を知りたかった、というのもあります。

今までロンボク島で活動してきて、隣のバリ島のことはあまり関心をはらっていなかったのですが、観光客が集中しているバリ島の方が、環境政策が進んでいるかもしれない、と思い、情報収集をすることにしたのです。

最初に訪れたのは、デンパサールのスウン・カウというところにある、マングローブ林でした。(写真上)

ここには環境局の支所があり、以前は「マングローブインフォメーションセンター」という名前だったらしいのですが、今は「気候変動と森林火災対策センター」という、名前に変わったそうです。突然訪問したにも関わらず、スタッフ(クトゥット・グデさん)は快く私たちを迎えてくれました。

Pak I. Ketut Gede Santi Budi yang staff Dinas Lingkungan Hidup dan Kehutanan Provinsi Bali..

ここのマングローブ林は、1992年からJICAが現地の森林省と協働で、リハビリテーションプロジェクトを行ったそうです。

1373.5hのマングローブがあり、中には天然林もあって、今では植林木も天然木と見分けがつかなくなっています。

JICAが植林プロジェクトを始める前は、マングローブ林は住民によって塩づくりの薪にするために伐採されたり、エビを養殖するために切られたりしていたそうです。

2001年にマングローブインフォメーションセンターができマングローブ林が育ってきて、住民はその恩恵にあずかるようになりました。

恩恵とは何か、聞いたところ、「井戸の水が飲めるようになった。(以前は塩っぽくて飲めなかった)」「海からの風が遮られるようになった」「潮が上がってこなくなった」「鳥がたくさん生息して、害虫を食べてくれるようになった」「エビやカニ、魚が増えた」「マングローブ林にプラスチックごみがひっかかって、海に直接流れて行かないようになった」という答えが返ってきました。

ごみと言えば、センターに入る前に川とマングローブ林の境目のところに溜まっていたプラスチックごみがありました。

JICAは植林をしただけでなく、住民の教育を行い、マングローブの生態・機能などについて伝えたそうです。

センターの中には、マングローブインフォメーションセンターのなごりで、見ごたえのある展示が並んでいました。

(マングローブの呼吸根)

インドネシアにはめずらしいパネル展示です。(こういう施設が全般的に整っていないため、展示を見て学ぶという機会が圧倒的に少ないインドネシアです)

展示物は、英語とインドネシア語が併記してあります。さすがJICA(つまり日本人)が監修しただけあります。

バリ島のどこにマングローブ林があるか、示した地図です。緑色になっているところがマングローブ林があるところで、思ったより少しでした。

翌日は、レンボンガン島(上の地図の右下の丸い形をした島の左上にある、なめくじのような形をした大きいほうの島)にでかけました。

バリ島の、サヌールの港からスピードボートで40分くらいでしょうか。波が高くボートが跳ねて進んで、あやうく気分が悪くなるところでした。レンボンガン島の港に着いて、バイクでマングローブがあるところまで向かいます。

たどり着いて、カヌーに乗ろうとしましたが、ボートの方が船頭さんにいろいろ質問できるから、ということで急きょ変更。

目の前を、団体さんが通り過ぎていきます。観光地ですね。

マングローブ林の中を進みながら、船頭さんにいろいろと質問をします。

聞いてみると、ここのマングローブは天然のものだそうです。船頭さんが子供のときからあったそう。

昔は伐採もしていたけど、今は国の管理になり伐採は禁止されて、住民はマングローブ林を観光に活用している、ということでした。

プラスチックごみが見当たらないなあ、と思って川のことをたずねると、この島に川はないよ、ということでした。

なるほど。川がないから、川から流れてくるごみがひっかかることはないのか、と思いました。

逆に海の方から漂ってきそうな気もしましたが、見たところごみは見当たりませんでした。

それにしても、ずいぶん立派なマングローブです。

ここでは、植林などはしたことはない、と船頭さんは言っていました。

さて、港に帰る前に休憩です。

飲み物を頼むと、太いストローと共に出されました。ん?(奥は、具合が悪くなった現地スタッフのお腹です)

なんとこれは、バンブー(竹)ストローではないですか!

店の奥さんをつかまえて話を聞いてみると、もう6年前からこのストローを使っている、とのこと。

数回は洗って使っているそうです。ほほぅ。

店から出るごみのことを質問してみます。

Q「ごみ回収はありますか?」⇒A「以前はあったけど、今はなくなってしまった。なくなったというか、料金が跳ね上がってとても利用できないから、自分で捨てに行っている」

Q「どこに捨てに行っているのですか?ごみ埋め立て地(最終処分場)?」⇒A「そう。ごみ埋め立て地までバイクで片道20分。片手にごみ袋を持っていくから、疲れて途中で休憩するの」

往復40分かけてごみを捨てにいくなんて。そんなに良心的な人ばかりではないでしょう。

いったいこの島のごみの管理はどうなっているのか、と思いました。

実は、今回バリ島では5月末にバリ州環境局に行く予定でした。デンパサールのごみ埋め立て地も訪問させてほしい、とお願いの文書も送っていました。ところが、数日前に確認すると、その日から事務所はイドゥル・フィトゥリ(イスラムの断食明けのお祭り)の休暇に入る、と言われました。

訪問の1か月前に、現地スタッフが事務所を訪問して直接お願いしたときは、そんなことは言っていなかったのに。

依頼文書を送って、スタッフが事務所に電話をしたときには、「かけ間違いよ」と3回くらい電話にでた女性に言われたそうですが、公式なレターに書かれた電話番号が間違っている、ということがあるのでしょうか。

しかし、そんなことでめげてはいけません。

日本に帰る前に、再チャレンジ(事務所訪問等)をする予定です。

(山)

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