1月、ロンボクでの活動の最後に次年度の活動の準備を兼ねて、西ロンボクの南レンバールにあるマングローブ林をたずねました。
ここは、2017年7月に初めて訪れて、それ以降度々お客さんを連れていった場所です。
2017年7月の様子はこちら。
2017年10月の様子はこちら。
2018年2月の様子はこちら(記事の後半)。
最後に訪れたのは、2018年の10月でした。今回、ほぼ1年ぶりに現地を訪ねると、驚きの光景が広がっていました。
Tempat wisata Mangrove, berada di desa Lembar selatan, Lombok barat sudah hancur, gara-gara tidak pernah dikelolah.
トレイルが壊れています。(以前は、正面の東屋の向こう側に、左からずっとトレイルがありました)
私は最初、何か意図的に破壊されたのかと思いました。
呆然としていると、近くにいた村人が、人が壊したのではなく自然に壊れたのだ、と説明してくれました。
しかし、ずいぶんな荒れようです。
(上の写真の左側。トレイルが伸びていた場所)
その人の舟に乗せてもらい、サムスールくん(ゆいツールが育成している若者のひとり)と一緒に岸から被害状況を確認することにしました。
川にかかった橋の下を通るときに、見えたのはこの有様でした。
土台のところが、朽ちています。
トレイルが切れてる・・・。
こちらは、将棋倒しのようにトレイルがかしいで(傾いて)います。
いったい、どうしてこんな風になったのか。
船頭さんは、このトレイルができてから(私の知る限り2015年末から)誰もちゃんと管理していなかった。気がついたら、こうなってしまった、というようなことを言っていました。(木材の質が悪いから、とも言っていました)
私は、心の中で大きくため息をつきました。
いつかこうなるのでは、と思っていたからです。
2017年7月に州の環境局スタッフと訪れた時には、観光グループを作って観光地の運営をしてもらう、という話がありましたが、その後訪れた時に「観光地の管理が村に降りてきていない。(管理権を州からもらっていない以上)村長はこの場所を認知していない」と聞き、じゃあ誰がどうやってメンテナンスをするのか?と不安になりました。
結局、その後きちんと管理されないまま、とうとうトレイルは崩壊してしまいました。
一応、州政府はこの状況を認識していて、またお金をかけて修繕をする、と言っているそうです。
が、誰がどうやって管理していくのか。大事なことはそこではないだろうか、と思います。
さて、舟を進めていくと、マングローブの植林地が見えてきました。
船頭さんによると、1ヶ月ほど前に植林されたようです。
降りて看板を見ると、「マングローブ林を気にかけよう!」という文字とともに、インドネシア国有電力公社のマークが。
砂地に降りてみることにしました。(写真は、サムスールくん)
植えた苗木は、1mくらいあったようです。
ところどころ斜めに倒れたり、砂から出てしまっているものがありましたが、概ね良好のようでした。
私は、船頭さんに「なぜ(マングローブの)苗木を植えるのか?」質問してみました。
船頭さんは、「土地を守るため(浸食されないため)」と答えました。
おそらく、ここにマングローブを植えた人たちの意図は、それだけではないだろうな、と思います。
私は以前、ここで同じような船頭さんに「マングローブ林は何の役に立つのか?」と聞いたことがあります。
「知らない」という答えだったような気がします。
幸いなことに、マングローブが炭としても使える、ということも知らないため、ここでは安易に伐採されることもなく、ただ「水辺に生えている木」として、認識されている様子でした。
この場所は、州都マタラム市からほど近く、マングローブ観光地としては大きなポテンシャルを持っています。
そこに目をつけた州政府が、トレイルや東屋などを整備したのですが、残念ながら5年で壊れました。
来年度もし予算がついたら、ゆいツールはマングローブ林環境教育プログラムを開発するつもりです。
こういったマングローブ林の近くの住民や、ロンボクの子供たちなどに、マングローブ林の効用、保全の大切さなどを伝えたり、エコツーリズムを展開したりしていきたいと考えています。それは、ひとえに、プラスチックごみを減らすためでもあります。
マングローブの根っこには、プラスチックごみがよくひっかかります。(下の写真)
環境教育を通して自然に愛着を持つことで、そこを汚すものを嫌悪するようになってほしい、と思います。
(山)
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