ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

マングローブ観光地での打ち合わせ(ギリ・ランプ)in Lombok

2022年08月03日 | ★2022年度(ロンボク)

7月の活動報告です。

7月7日に、マングローブ林での持続可能な観光開発プログラムを進めるために、東ロンボクのギリ・ランプに行きました。

(他のマングローブ林での打ち合わせの様子はこちら。西ロンボクのバゲッ・クンバール南レンバール村

Yui-Tool telah pergi ke Gili Lampu, Lombok timur, untuk diskusi.

(住民グループKPPLの代表スヤントさん:右奥の男性との打ち合わせ)

ギリ・ランプには、2020年1月に日本人の学生さんを案内した時に行きましたが、KPPLのメンバーと直接会ったのはこれが初めてです。

これまでのギリ・ランプでの主な活動。

コンポストづくりワークショップ(1回目)2021年9月

コンポストづくりワークショップ(2回目)2021年12月

マングローブ林環境教育プログラムの実施 2022年3月

ギリ・ランプに一緒に行ったのは、マデ、オパン、そしてルスです。

リーダーのスヤントさんは、ずいぶん昔にジャワ島から移住してきて、何もなかったところから、少しづつギリ・ランプの観光地を整備してきた人物です。今は、KPPL(※)の代表をしています。

※KPPL:Komite Pengelolaan Perikanan dan Laut(直訳すると水産海洋管理委員会、となりますが、観光管理グループや漁業組合などの住民組織の集合体のようなもののようです)

ギリ・ランプのマングローブ林は、離れ島に生育しているため、観光客はボートを借りないと見に行くことができません。

(2020年1月に訪れたマングローブ林とボート)

さて、今回日本から持っていった書籍「マングローブ林生態系探検図鑑(監修/馬場繁幸 琉球大学名誉教授・国際マングローブ生態系協会理事長)」を、スヤントさんメンバーに紹介しました。

インドネシアには、こんなに質のいい教材はないので、興味深そうに見ていました。生き物を指さして「これは、ここにもいるよ」と教えてくれたり。

今年度、ゆいツールは3つの観光地で、ガイド研修をやりたいと考えています。

ひとつは「マングローブ林の基礎知識」。専門家を招いて、マングローブの樹種の特徴などを学び、ツアー客に説明できるようにしたいと思っています。ふたつめは「インタープリテーションの方法と例示」。こちらは、セオリー(theory)よりも、具体的な例示が重要だな、と思っています。みっつめは「(ゆいツールが開発した)マングローブ林環境教育プログラムの使い方講座」。

①「マングローブ林の基礎知識」

②「インタープリテーションの方法と例示」

③「(ゆいツールが開発した)マングローブ林環境教育プログラムの使い方講座」

研修については、まだまだ考え中です。

さて、ギリ・ランプでは、KPPLが作ってきちんとパックされているコンポスト(高倉式コンポストとグリーンコンポスト、液体コンポスト)を確認できました。

試しに3種類購入して、ルスの家で使ってみることにしました。

現在もコンポスト作りは継続中ということで、3種類のコンポストの確認もしました。

(高倉式コンポスト。台所から出る生ごみから作ります。少しプラスチックが混じっていました)

(グリーンコンポスト。木の葉や家畜の糞などから作ります)

(液体コンポスト。果物系の生ごみなどを入れるとよいそう。匂いはきつめです)

そして、KPPLの活動を見学させてもらいました。

プラスチックごみをペットボトルに入れて、エコブリックを作っているよ、と見せてくれたのですが、中身がスカスカ。

これはもっと中身を詰めて、固くするんだよ、とマデやルスが教えます。

ルスは、東ロンボク出身なので、他のメンバーよりもギリ・ランプに近いところに住んでいます。

以前から、ギリ・ランプはルスの担当ね、と言っていたのですが、今回KPPLが作っているコンポストを見回り、グループの女性たちの活動を見て、今まできちんとアドバイスなどをしたことがあるのか?とルスを問いただしました。

例えば、コンポストにプラスチックが混じっていたらどうするのか?そもそも、活動やその他の用事でギリ・ランプに来たときに、コンポストを気にしたことがあったか?KPPLがプラスチックごみを再利用しようと工夫しているのを、サポートしようとしたか?

ルスには何度もミーティングで、あるいはチャットなどでコミュニケーションをとって、活動をサポートするように言ってきましたが、私がその場でコンポストからプラスチックを取り除いたり、女性たちと話をして「プラスチックごみでポーチを作る方法を知りたい」という声を聞き出したりして、「こういう風にきちんと寄り添ってサポートしなければいけない」と例示を示して初めて、「サポートするとはどういうことか」ルスにも理解できた様子です。

何か、人や場所に対してアクションをした後、フォローアップをしないことほど、私が嫌いなことはありません。

フォローアップをしないのなら、何もしないほうがましです。

インドネシア人と話すと、行政や民間団体などが何か住民に講習会などを開いたり、催し物などを開催したりした後、なんのフォローアップもない、とよく話すのですが、自分が活動をする側になったときに、果たしてきちんとフォローアップできているのか、常に自答する必要があります。

ギリ・ランプには、ローカルの観光客がよく訪れます。そのため、こんな光景がよく見られます。

浜辺に落ちているカップラーメンのカップなどのプラスチックごみ・・・。

KPPLのメンバーが毎朝ごみをきれいにしても、食べ物を持ち込んだ観光客は、ごみ箱には目もくれず食べた後ごみを散らかして帰ります。

スヤントさんは、あるアイデアを熱心に話してくれました。

小さなボート(両側に足があるタイプ)に網をくくりつけて、波間に浮かぶプラスチックを回収したいのだ。

泳いでいる観光客の近くを通って、彼らが海に捨てたごみを回収しているところを見せたいのだ、と。

ギリ・ランプでは、私は観光客向けの立て看板を設置したいと前から考えています。

例えば、インドネシア人向けには「プラスチックごみは海を殺す」とか「きれいな環境を自分の手で守りましょう」とか。

外国人向けには、「KEEP GREEN」など。

ごみをポイ捨てしているのはローカルの人たちなので、彼らに自分が捨てるごみについて意識を向けてもらうような言葉はどんなものがよいか、KPPLのメンバーと一緒に考えたいと思っています。

そういうひとつひとつのワークショップを、頻繁に実施できたら一番よいのですが、予算と時間が限られているので、悩みます。

(山)

(KPPLメンバーと。右からルス、スヤントさん、マデ、そして私)

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