◎ ◎ ◎ スタッフコラム ◎ ◎ ◎
日本では、都道府県境をまたぐ移動の自粛要請が、本日から解除されました。
ただ、昨日の東京都の新規感染者数は41人でした。
人が動けば、感染もまた広がるでしょうが、もうこれ以上経済を止めるわけにはいかない、ということでしょう。
一方、インドネシアでは、6月18日現在41,431人の累計感染者がいます。
(出展:外務省海外安全ホームページ)
振り返ると5月15日頃、ちょうど日本とインドネシアの累計感染者数が同数になっていました。それから1ヶ月。
今では、首都ジャカルタでは1万人近い感染者を出しています。
ロンボク島のある西ヌサトゥンガラ(NTB)州は、とうとう1,000人を超えました。
(下の写真の、枠内の「Kasus Psitif Covid-19」の数字です)
死者数は43人です。お隣のバリ島は、(ここにデータはありませんが)900人弱の累計感染者数に対して6人の死者数です。
NTB州の感染者数の内訳をもっと詳しく見てみると。
(上記表の、Konfirmasiという枠の、左端の数字に注目)
州都マタラム市が423人、西ロンボク県が209人、中部ロンボク県が107人、北ロンボク県が45人、東ロンボク県が100人などとなっていて、上位5位まですべてロンボク島が占めています。NTB州のもう一つの島スンバワ島の感染者は、ロンボク島に比べればとても少ないです。
こうやって数字を見ると、感染症の患者数は人口密度の高い順に並んでいるなぁ、と思います。
ロンボク島では、いまだ学校は閉鎖中です。
現地の知り合いに聞いたところによると・・・。
授業や試験はオンラインで、という情報があるのですが、ほとんどの子供に教育は届いていないようです。
本や参考書などを子供に届けたり、子供に勉強を教えるボランティアが求められているそうです。
試験は、村の場合、子供たちが学校に試験問題を取りに行き、一定の時間家で記入して、また学校に持って行くそうです。
家庭での教育は学校の教育と同じようにはいかず、教育ができる親もいれば、できない親もいるため、いったいどうすればよいのかわからず、多くの子供たちは毎日遊んで暮らしている状況のようです。
おそらく、家庭が豊かで、将来子供をよい大学へ入れよう、よい仕事に就かせよう、と考えている親は、抜かりなく子供を教育していることでしょう。一方、貧しく、親自身が高等教育を受けていない家庭では、子供は遊ぶか、親の仕事を手伝うか、運良くボランティアに勉強を教えてもらえるかどうか、といったところでしょう。
住民は、長引くロックダウン(自粛生活)ですでに緊張感は薄れているようです。
日本は、東京などでも6月から学校を再開することができましたが、未だ感染が衰えないインドネシアでは、いつになったら学校を再開できるのか先が見えないようです。(ロンボクのある地域では、7月13日から学校が始まる、というお知らせがあったようです。今後の状況次第で変わるそうですが)
日本から見ると、インドネシアはのどかだし、子供は学校に行かなくても自然の中で転がりまわって楽しく遊んでいるだろう、と思いがちです。
でも、私が知っているロンボクの子供たち(街に住んでいたり、ちょっとした田舎でも家が大きかったりする子たち)は、普段から学校が終わると家でゲーム三昧で、近所の貧しい子供と無邪気に遊ぶということはありません。たいてい、いとこ同士とかでゲームを取り合って遊ぶか、家の周りで遊んでいます。
インドネシアには日本のように学童クラブはないし、塾なども一般的ではなく、学校の教育でさえ十分とは言えないのに、今このような状況で、さらに子供たちへの教育がおざなりにされているのが気にかかります。
話は飛ぶのですが、私はいつかロンボクで、アフタースクールを作りたい、と夢想しています。
塾ではなく、子供たちが安全に遊べる場所で、環境教育も行います。
お金持ちの子供も、貧しい家の子供も、一緒に遊べる場所です。
英語や日本語を勉強するクラスがあってもいいな、と思います。
そういう、いろんな種類の教育の場が、ロンボクにもっともっと増えるといいな、と思っています。
今は、ロンボクの子供たちが、長い長い休みが終わって7月中旬には学校で勉強できるようになることを、心から祈ります。
(山)
(昨年9月。西ロンボクのブウン・スジャティ村の小学校で)
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