6月に引き続いて、9月上旬にプカンバル(スマトラ島リアウ州)でごみ銀行に参加している学校を訪問しました。
今回は、ロンボクで商品づくりを中心に活動している「NTBマンディリごみ銀行」のアイシャさん(mbak Aisyah)と一緒でした。
(高校のごみ置き場を見学。右から2番目がアイシャさん)
ロンボクでは、ごみ銀行に参加している学校はほとんどなく、プカンバルではどんな風なシステムで運営されているか、先生たちの意識はどれくらいか、アイシャさんと共に学んできました。
今回訪れたのは、プカンバルの高校(SMA1)と前回も見学した小学校(SDN88)でした。
高校では3人の先生が対応してくれました。どの先生も熱心で、ごみの管理はチームで行っていると言っていました。
生徒たちは例えば体育の時間に(担当の先生のひとりが体育の先生なので)、外に出る前に家から持ってきたゴミを先生に見せてからゴミ置き場へ寄って分別して捨てるということでした。
早速、その様子を見学させてもらいました。
生徒たちが持っているごみの量、ごみ捨て場で適当にほおりこんでいる様子から、活動が弱冠形骸化しているのが伺えましたが、それでも先生たちは熱心で、生徒が適当に捨てたごみを分別し直し、学校の用務で出たごみ(梱包用の箱など)も先生が捨てに来ていて、システムとしては完成していると感じました。
また、ごみを使った工芸品づくりやコンポストづくりも行っていました。
アイシャさんは先生たちが熱心なことに感心していました。「ロンボクとは全然違うわ」
ロンボクでは、熱心な先生がいても一つの学校にせいぜいひとりで、その先生が異動してしまうと活動がストップしてしまう可能性があります。先生たちがチームになっているというのはいいヒントでした。
アイシャさんとは、プカンバルのごみ銀行の支部のひとつである、ブネルさん(ibu Bunel)のごみ銀行も訪れました。お互いの知識や経験を共有することが目的でした。
会ってみて、それぞれの商品を見比べると、アイシャさんが作ったもののほうがデザイン性が高く、質が高いのがわかりました。
何故なら、ロンボクは観光地で、アイシャさんは普段外国人相手に商品を売っているので、必然的に質の高いものが要求されるからです。
一方プカンバルでは、市場はほとんどなく、作ったものは地方環境局などが学校の子供達に教育の一環で支給したり、展示会で販売したり、たまに注文が入ったらまとめて作ったりしているということです。
ブネルさんのところでは、途中からアイシャさんのミニ講座が始まり、柄を合わせて手際良くプラスチックを編んでいく方法が共有されました。
(ブネルさんのごみ銀行の看板の前で)
アイシャさんとは、意見交換もいろいろとして、「本当は学校でのゴミ銀行は、生徒たちの意識が上がれば上がるほど、ゴミの量は減っていくことが望ましい」とアイシャさんが考えているのに対し、「でも私が生徒だったら、意識が上がれば上がるほど、家のゴミを熱心に持ってくるだろうから、量が減っていくというのはもっともっと先の目標ではないか」と私が言って、「もちろんそうだけど、ごみ銀行の本当の目的はゴミを減らすことにある」というアイシャさんの意見に、深くうなづきました。
今後ロンボクでは、アイシャさんを含めたNGOスタッフやJICAの隊員が、学校を訪れて環境教育を行い、ごみ銀行への参加を呼びかけていく予定です。
(山)
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