今年もまた、球技大会の季節がやって来た。
太一は台無しになった去年のリベンジとして、今年こそ会食費を獲得しようと日々練習に励んでいる。

雪と聡美はそんな太一を前に、生意気だけど面白い彼を微笑ましく思っていた。

そんな折、聡美が太一と横山翔の、去年の球技大会前の一悶着についての話を振ってきた。
雪は二人の間に何か諍いがあったことは知っていたが、その内容については知らなかったのだ。

聡美は思い出すように、太一と横山の一悶着について教えてくれた。
練習の合間に雪たちの所に寄った太一に、聡美が今去年の横山の話をしているんだと言った。

太一がその記憶を辿り出すと、
そこには聡美にストーカーまがいの行為をした横山が、ありありと浮かんでくる。

「‥まさかとは思ってたんスけど、あそこまでとは‥」

太一には去年から心に引っかかっていることがあった。
あの時から横山の性質を知っていたのに、聡美を気遣うあまりそれを雪に知らせなかったこと‥。
練習が終わってから、聡美が席を外したのを見計らって、そのことを太一は雪に告白した。
「今更ですけど、俺、あの時横山先輩がおかしかったこと
雪さんに教えてあげるべきだったのに‥。俺のせいで雪さんが‥」

雪は太一の気遣いに、両手を広げて否定した。
「ちがうちがう!何言ってんの!もう終わったことだし。
それに他のことで頭いっぱいだったし、なんともないよ!」

それならよかった、と太一が言ったので、この話はお終いにした。
雪は帰路に着きながら、あの球技大会前頃は、
平井和美の嫌がらせが続いていた頃だと思い出していた。

あの頃に太一から横山の忠告を受けていたって、きっと何も行動を起こせなかっただろうという気がする。
それよりも気がかりなことが、いくつもあったからだ。
平井和美の嫌がらせもさることながら、何と言っても心にかかっているのは、青田先輩に書類を蹴られた事件‥。
今でも昨日のことのように蘇る、廊下に響く足音。

全身が震えて、生まれて初めて味わった屈辱。

雪は苦い記憶を沈めるように、空を仰いだ。

星は見えない都心の夜。
雪の心の中にも、暗雲が漂っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
太一は球技大会が間近に迫ってくると、ますます練習に精を出した。
美味しいパスタ屋へ行こうという聡美からのミシュレン出陣依頼も、練習があるからと断る始末だった。

その熱血さに聡美が「お前はスラムダンクか!」とツッコむと、
太一はやたら詳しく突っ込み返してくる‥。
「それは人に対してつける名詞じゃありませんヨ。付けるなら桜木花道とか流川楓とか‥」
「ルセー」

太一は去年のリベンジに燃えていた。
パスタ一皿食べる時間があるなら練習し、会食費を取ってみせると意気込んでいる。

コートに向かう太一は、スラムダンクのオープニング曲を力強く口ずさんでいた‥。

そんな今年の球技大会はどうだったかというと‥。
猛特訓、栄養補給(摂り過ぎ)

食あたり

闘病&不参加、勝利

脱出&乱入

・・・・・

病院へ帰還

そして、一日にして回復。
太一の目標は勝つことでは無く、しこたま料理を食べることだった‥。
翌日退院した太一は、
「思い残すことは何もないッス!」と親指を立てた。

呆れる雪の隣で、「やっぱりあんたは最高のバカだ!」と聡美がケラケラ笑っていた‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回は少し短めです。今年の球技大会もみんなおそろのTシャツで応援したんですかね^^
太一が口ずさんでいた、スラムダンクのOP↓
SLAMDUNK OP
韓国でも人気だったんですね~!
次回は<日常の中の波乱>です。
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太一は台無しになった去年のリベンジとして、今年こそ会食費を獲得しようと日々練習に励んでいる。

雪と聡美はそんな太一を前に、生意気だけど面白い彼を微笑ましく思っていた。

そんな折、聡美が太一と横山翔の、去年の球技大会前の一悶着についての話を振ってきた。
雪は二人の間に何か諍いがあったことは知っていたが、その内容については知らなかったのだ。

聡美は思い出すように、太一と横山の一悶着について教えてくれた。
練習の合間に雪たちの所に寄った太一に、聡美が今去年の横山の話をしているんだと言った。

太一がその記憶を辿り出すと、
そこには聡美にストーカーまがいの行為をした横山が、ありありと浮かんでくる。

「‥まさかとは思ってたんスけど、あそこまでとは‥」

太一には去年から心に引っかかっていることがあった。
あの時から横山の性質を知っていたのに、聡美を気遣うあまりそれを雪に知らせなかったこと‥。
練習が終わってから、聡美が席を外したのを見計らって、そのことを太一は雪に告白した。
「今更ですけど、俺、あの時横山先輩がおかしかったこと
雪さんに教えてあげるべきだったのに‥。俺のせいで雪さんが‥」

雪は太一の気遣いに、両手を広げて否定した。
「ちがうちがう!何言ってんの!もう終わったことだし。
それに他のことで頭いっぱいだったし、なんともないよ!」

それならよかった、と太一が言ったので、この話はお終いにした。
雪は帰路に着きながら、あの球技大会前頃は、
平井和美の嫌がらせが続いていた頃だと思い出していた。

あの頃に太一から横山の忠告を受けていたって、きっと何も行動を起こせなかっただろうという気がする。
それよりも気がかりなことが、いくつもあったからだ。
平井和美の嫌がらせもさることながら、何と言っても心にかかっているのは、青田先輩に書類を蹴られた事件‥。
今でも昨日のことのように蘇る、廊下に響く足音。

全身が震えて、生まれて初めて味わった屈辱。

雪は苦い記憶を沈めるように、空を仰いだ。

星は見えない都心の夜。
雪の心の中にも、暗雲が漂っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
太一は球技大会が間近に迫ってくると、ますます練習に精を出した。
美味しいパスタ屋へ行こうという聡美からのミシュレン出陣依頼も、練習があるからと断る始末だった。

その熱血さに聡美が「お前はスラムダンクか!」とツッコむと、
太一はやたら詳しく突っ込み返してくる‥。
「それは人に対してつける名詞じゃありませんヨ。付けるなら桜木花道とか流川楓とか‥」
「ルセー」

太一は去年のリベンジに燃えていた。
パスタ一皿食べる時間があるなら練習し、会食費を取ってみせると意気込んでいる。

コートに向かう太一は、スラムダンクのオープニング曲を力強く口ずさんでいた‥。

そんな今年の球技大会はどうだったかというと‥。
猛特訓、栄養補給(摂り過ぎ)

食あたり

闘病&不参加、勝利

脱出&乱入

・・・・・

病院へ帰還

そして、一日にして回復。
太一の目標は勝つことでは無く、しこたま料理を食べることだった‥。
翌日退院した太一は、
「思い残すことは何もないッス!」と親指を立てた。

呆れる雪の隣で、「やっぱりあんたは最高のバカだ!」と聡美がケラケラ笑っていた‥。
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今回は少し短めです。今年の球技大会もみんなおそろのTシャツで応援したんですかね^^
太一が口ずさんでいた、スラムダンクのOP↓
SLAMDUNK OP
韓国でも人気だったんですね~!
次回は<日常の中の波乱>です。
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