Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

不在のはずの隣室

2014-01-03 01:00:00 | 雪3年2部(三人円卓~奉仕活動難航)


今日も空には焼け付くような太陽が昇っている。

雪は朝の買い出しから帰って来たところだ。気分は良く、鼻歌交じりの足取りも軽い。

 

雪は昨日の先輩とのデートを思い返していた。

会話はスムーズに運んだし、喧嘩もすることなく楽しかったなぁと。



すると脳裏にボンッとあの場面が浮かんできた。

思わず心臓が跳ねる。



雪は赤くなっていく頬を押さえて、キャアアと心の中で叫んだ。

身を縮めながら、恥ずかしさと動悸を身体で感じる。


(大方あの場面を見た読者の方々も雪と同じリアクションをしてしまったのではないだろうか^^)

恋は少し人をおかしくさせる。

道端でこんな行動をする自分を、雪はきまり悪く思って頭を掻いた。








家に入り、蓮に「合鍵出来たよ」と声を掛けようとすると、

意味不明な行動をしている弟が目に入った。

「?? あんた何やってんの?」



雪の質問もそのままに、蓮は不可解そうな表情を浮かべると声を上げて壁を蹴った。

ドン!と大きな音がする。



弟の突然の奇行に、雪は「あんた何すんのよ?!」と顔面蒼白だ。しかし蓮は冷静に雪に確認する。

「ここって壁めっちゃ薄い? 家の声丸聞こえだったんじゃね?」



元々狭い一部屋を改造して二部屋にしたからだ、と蓮は分析し眉を寄せた。

だからって蹴るなんて、と雪は弟を非難する。けれど蓮は不服そうだ。

「けど隣の物音がひどいんだもんよ」



「もうバカ言ってないでよ。ところでご飯はどうすんの?食べて行‥」

とそこまで言ったところで、雪はハッと気がついた。



恐る恐る、蓮に確認する。

「‥隣で音がしたの?」



そうだ、と蓮は言った。合鍵が無かったので昨日一日蓮はこの部屋に一人で居た。

「お隣、ずっと行ったり来たりガサガサしててさぁ。でかい音よりあーいう音のが遥かにウザいって」



蓮の話に、雪が「まさか」と小さく漏らす。

「隣はこの間引っ越して、今は誰もいないはず‥」   「え?」



二人の背筋にザワッと鳥肌が立った。

雪が、家主のおばちゃんではないかとそう口に出したが、よくよく考えるとまだ旅行先のタイから帰って来たという連絡はない‥。

蓮は大家があんなコソコソするかよ、だったらネズミかなんかだよ、と言って雪にダメ出しする。



すると「あ!」と声を出して蓮が再び壁に耳をくっつけた。

「今また音がした!静かにして」



雪は何だか怖くなって身を震わせた。そんな姉に弟は、耳を壁につけた格好のまま慎重に提案する。

「どうする? 行ってみる?」



弟の言葉に、雪はたじろいだ。

「‥行ってどうすんのよ」



二人は暫しコソコソと相談した。

行ってノックしてみる? うぅ‥ 大丈夫だって俺いるから。泥棒だったらヤバイじゃん 
もっと危ないじゃん! じゃあ包丁持ってく? もう!変なこと言わないでよ!




そんな彼らが議論している部屋へ、一人の男が向かっていた。タン、タン、と足音がだんだんと近づいて来る。

警察に言った方がいいんじゃないか、そう雪が言った時、トントントンと続けてドアがノックされた。



弾かれるようにパッと玄関の方を向くと、擦りガラス越しに男のシルエットが浮かび上がっていた。

「いらっしゃいますか?」



どなたですか、と雪が上ずった声で問うと、男は「大家の孫です」と言った。

雪の脳裏に、先日夜道で出くわした時のあの不気味な男の顔が浮かび上がる。



雪は心に陰る暗い影を感じながら、ゆっくりとドアを開けた。

何か御用ですかと問う雪に、男は単刀直入に切り出した。

「最近空き部屋の整理で出入りしているのですが‥この近辺で男性の声が聞こえたんですよ。

もしかして中に男性がいらっしゃいますか?」




「住民以外の方がここに住まれるのは困るんですよねぇ」



そう言って男は細い目を更に細めて見せた。相手にどこか不気味で嫌な印象を与えるその瞳‥。

そのまま部屋の中を覗きこむ男に、雪は心がざわつくのを感じながら口を開いた。

「あ‥それが‥実は弟が少しの間だけ‥」



気まずそうにそう言う雪の後ろから、蓮が出てきて軽い調子で挨拶をした。

ちょっとの間だけお邪魔します、と言ってニヤッと笑った蓮に、大家の孫は微妙な顔をする。



不服を含んだその表情のまま、大家の孫はこう言った。

「申し訳ないですがあまり長居されると困ります。一人暮らしという内容で契約されたんですから」と。

すみません、と雪が謝り了承すると、「それでは」と言って大家の孫はそのまま去って行こうとした。



そんな彼の背中に雪が声を掛ける。

「あの‥家主のおばさまはいつ頃帰って来られますか?」



え? と言って男は、真顔のまま動きを止めた。

そして困ったように眉を寄せると、「さぁ‥まだよく‥」と言葉を濁した。

 

大家の孫の話では、家主の婦人は旅行先が気に入り長く滞在するということだった。

連絡が来たらまたお教えしますと言って、大家の孫は去って行った。

「はい‥さようなら‥」

 

胸に残った不穏な影を、雪はひしひしと感じながら男の後ろ姿を見送った。

そして不幸なことに、そういった予感は大抵当たっていることが多いのだ‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<不在のはずの隣室>でした。

蓮くん昨日一日家で何やってたんでしょうか。。スマホでテレビ見てたのかな‥。

なんてどうでもいいことが気になったり‥(^^;)


そして1月1日にupされた本家最新版に、横山に関する過去回想が載ってましたので、

それに関連する記事<淳>その回想に追記しました。

ネタバレオッケーな方はどうぞ覗いて見て下さい~(てかこのブログがネタバレの宝庫なのに今更こんな注意書き‥すいません)


次回は<赤山姉弟の悩み>です。

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています~!